手首を強く握って、顔を近づけ
口を開いて鈴音に何故
怒っているかを語り出した


「………じゃないか…」
「っえ、？」
「最近お前はずっと…勝利マンの事ばかりじゃあないか」
「…！」


ギリ、と歯噛みをして
悔しそうに…しかし嫉妬の思いを
表に出して続ける



「私が昨日からいつ話しかけても勝利マン勝利マン………私の事は放っておいて彼の事ばかり！！」
「！！…あっ、」



なぜ彼が怒っているのかを察して
謝ろうと口を開くが…



「それはごめ、」
「お前の本命、そして恋人は私だ！！」
「っんむ！？」



鈴音が言葉を最後まで言う前に
天才マンは強引に鈴音の唇に
自分の唇を重ねて押し当てることで彼女の口を塞いで…




「っ！？んーーーー！！！」



暴れるが天才マンの腕力には叶わず、
強引なキスを受け入れるしかなく…



「…んん、んむ…っ！？んぅ！？」



ジタバタと暴れていた鈴音だったが…
その時、薄く開いていた唇の間を何かが
ぬるりとはいって来て…それは
鈴音の舌を舐めるようにしてかすめて…
それが天才マンの舌だと分かると顔が耳まで
真っ赤になった。



「！！！んーーー！！！んー！！っぅ…！」


鈴音は舌をなんとかしようと
暴れていたが絡められて、舐めあげられ
を繰り返されるうちに暴れる力が
無くなっていき…初めて交わす大人のキス
の快感に戸惑い、されるがままだ。


「んっ…ふぅ、んん、や…っん…」
「はぁ……ん…う…ん、」



何度も角度を変えて深く口付けを
繰り返し…その口付けの水音が部屋に
やけに響いた。
息をすることも許さぬ、というような
激しいキスに戸惑い鈴音の
足は震えて抜けそうになる。




「(なにこれ、なにこれ、私こん、なキスした事ない…！！天才いきなり…こんな…！)」



いきなりこんな強引な真似をするなんて
思ってもおらず…涙目で目を瞑り…
赤面した顔で黙ってそのキスが
終わるのを待つ…



「ん…………っぷは…」
「はっ、はぁ…！あぅ…！」



しばらくするとまた口付けられ…
天才マンと鈴音を繋ぐかのように
舌から銀色の糸を引いて離れた。


「な…に…いきなり…こん、な」
「…………お前は、私の物だ…」
「だから、あっ！？」


話す前に今度は耳を舐めあげられて
高い声が出て、咄嗟に口を塞ごうとするが
天才マンに抑えられているせいで…出来ない