勝利マンが負傷して1日が立ち…
勝利マンは鈴音の看病に
だいぶ良くなった。


「勝利マン、だいぶ良くなったみたいでよかったね」
「この間お前には迷惑かけちまったな」
「気にしないでよ…私のこと守って傷を負ったんだもの…」
「それこそ気にすんなって話だ」



リンゴを向いて切り分けると勝利マンに
皿に乗ったリンゴをすっ、と差し出した。
爪楊枝にさされたそれを口に運べば
果実特有の甘酸っぱい味が広がった。



「昨日からずっとここに来て看病してたから…勝利マンの容態良くなったみたいでよかった体調早く戻して、地球に帰ろうね」
「…最近ずっとここに…？」
「え？うん」



まさか自分が寝ている間も、と
思うと胸が高鳴り…幸福感が湧いた


何よりも自分のことを気にして…？

どうしよう、嬉しい。



「…勝利マン？」
「あ？…あ、なんでもねぇ、ごっそーさん」
「はーい」



食べ終えた皿を鈴音に
返すと赤い顔を隠す様にして
窓の方に目線を向けた。
それに気づかぬ鈴音は
皿を洗って元の場所に戻すと
扉の方へと歩き出す



「あ、おいラッキーちゃん…」
「？なぁに？」


が、その時勝利マンに止められて
ピタリと足を止めて振り向いた。
勝利マンは少し俯いて黙ると
口を開いた。



「……なぁ、ラッキーちゃん…」
「…？」
「………あのよ…」
「ん？」
「……なんでもねぇや」
「…そう…？じゃ、また来るね」



何かを言おうとしたが勝利マンは
言葉を濁して黙り込んだ
？を浮かべながらも鈴音は
微笑んで部屋から出て…
勝利マンは一人、部屋でため息をついた



「…何言おうとしてんだ俺」



”俺にまだチャンスはあるか”
だなんて…

彼女は純粋に自分を心配してくれている
のを、どこか期待してしまう自分がいて…



「こんなに女々しかったか？俺」



恋は人を変えるとは言うが
確かにそうだ、と痛感した。