「良かった、じゃあ良くなるまで任せてね！！あ、じゃあ皆に勝利マンが目覚めたこと言ってこなきゃ！」
「あ、おいラッキーちゃん…！」


鈴音は扉を開けて勢いよく
皆の所へとかけていく、が勝利マンが
それを止めようとするが鈴音は
気付くことなく走っていきその手は
空振りして空を切った。


「……あー…」


その手をしばらく眺めると…
赤い頬を隠すようにして布団を被る…
高鳴る胸の音が、やけに布団の中で響いた。


「…」


その様子を見ていたのは…影から2人の
様子を見ていたラマンちゃん…
鈴音の後ろ姿を見ると、
その彼女の後ろ姿を追いかけていった。



「皆！！勝利マン目が覚めたみたい！！」
「えっ！？本当ですかー！？師匠！！」



勝利マンが目が覚めた、という知らせを
大声で告ればみんなは明るい顔で
鈴音の方をみる
こくり、と頷いて鈴音は続ける



「うん！！”ダメージなんかにゃ負けねぇ！！”って起きようとしてたから休んでるように言ってきた！」
「はは、兄さんらしいや…でももう大丈夫そうだな、安心した」
「……」


その様子を内心気に入らなさそうに
見ている天才マンの目線には、
鈴音は気づかなかった。



「勝利マンの体力が戻るまで看病しないとね！」
「そうだな、彼の体力が戻るまで…」
「…………あの」
「？」



その時、追いついてきたラマンちゃんが
鈴音に後ろから声をかける
ラマンちゃんは少し心配げで…でも
真剣な表情で鈴音に話しかけた



「…少し、いい…？」
「えっ？うんいいよ」


そんなラマンちゃんの様子に疑問を抱き
ながらもこくりと頷きてラマンちゃんに
ついて行く…そんな様子の2人に、
ヒーロー達は気づいていなかった…



…………………………………………………………………………………
「ラマンちゃん、どうしたの？」



ラマンちゃんについて行きながらも
彼女に疑問を問いかける鈴音…
しばらくして足を止めると、
ラマンちゃんは後ろを向いたまま…
彼女に声をかける



「…ねぇ…ラッキーちゃん…」
「？何…？」
「……貴方は……」


「貴方は……………勝利マン様の事を…どう思っているの……？」


「…え…？」



振り向いたラマンちゃんの表情は
少し、悲しげだった