「‥はっ！！あ、待って！！天才！！行こう！！」
「！？ラッキーちゃん！？」


フードの男、もとい神才マンは
風が止むとまたフードをかぶり歩き出し‥
彼の姿が建物に隠れて見えなくなった
所で我に帰った鈴音が天才マンの
腕を握ったままで走り出す。



「どうした‥！！まさか！？」
「そう！！いた！！いたの今！！神才マン！！」
「！！やはり！！」
「急がなきゃ、あぁでも三兄弟！！努力ーーーー！！！友情ーーー！！勝利ーーー！！来てーーー！！」



鈴音が大声で呼ぶとその声に
気がついた三兄弟が合流して天才マンと
鈴音の元へとかけてきた。



「どうした！！見つかったか！！」
「見つけた！！黒いフードの人！！神才マン！！」
「黒いフード！？黒いフード、黒いフード‥！！」



神才マンの後を追いかけるが人が大勢いてどこにいるか分からない。
そんな中でも人をかき分けて神才マンを
追いかける‥！！


「‥！！いたっっ！！！」



天才マンが人をかき分けたその時、
彼の前方に黒いフードの男が歩いている
のが見えた。
あれが神才マンで間違いない、と
唾を飲み込み天才マンはまっさきにその男の所へ走っていき‥彼の手を引っ掴んで叫んだ！！





「父さん！！」



腕を掴んでそう叫ぶと肩をびくり、と
跳ねさせてその人はゆっくりと振り返った
‥普通に振り返ったつもりだったんだろう
だが、5人にとっては‥その仕草が
スローモーションに見えた。

ゆっくりと振り返り‥振り返ったせいで
フードが取れた。



「‥え？」
「「‥‥‥‥‥！！！」」


振り返ったその人の顔は‥神才マンにそっくりな白い髪の男
写真の通りの姿


‥ようやく、神才マンと天才マンが


再会できた瞬間だった



「‥あ‥！！」
「‥‥‥？」



目を潤ませる天才マンに対して
神才マンは不思議そうに天才マンを見つめていた‥
ようやく、父と再会できた
だが‥神才マンは


「‥‥‥どなたですか？」
「！」


そう、記憶を失っていたのだ
その事を忘れていた、とその発言に
ショックを受けたが天才マンは
神才マンに向き直る


「‥‥お久しぶりです、父さん‥私の名は天才マン‥貴方の息子です‥」
「‥な、に？」
「‥‥あなたの空白の時間を‥知っているものです‥」
「‥！」



空白の時間
その言葉に神才マンは目を見開き
興味を示した。
‥ようやく再会できた息子と父
‥だが‥大きな試練が立ちはだかることとなる