街へ戻り辺りを見回す‥
だがこの星の住人はほとんどが
フードやターバンや帽子なんかを
被っていてよく顔が見えない。


「うーーん‥どこにいるんだろう？」
「手分けした方が良さそうだ」
「そうだな、じゃあ一旦別れるか？」
「あぁ、じゃあ私とラッキーちゃんはあちらを‥」
「じゃあ俺はあっち」
「私と努力はあっちに行くよ、ね？」
「はい！！」


それぞれ3方向へ別れて手分けして
彼を探すことにした。
集合場所は神才マンの小屋の前、と
決めるとそれぞれ別れて走り出した。



「あのー！すいませーん‥！！あ、神才マンじゃないや‥」
「父さんは白い長い髪に紫の青のグラデーションの目‥わかりやすいんだが、ターバンやフードをしていたら分かりにくいな‥目を見ていくか」
「目か、目？うん分かった」



神才マンの瞳は宇宙のごとく輝く
紫と青の瞳‥ならば目を見て一旦
方がいいと教えた天才マンの発言の
通り、目を見ながら探すがなかなか
そんな瞳を持った男は見当たらず‥
鈴音は疲れ始めた。



「いなーい‥‥‥‥うぇーん神才マンどこ〜‥？」
「！疲れたんじゃないのかラッキーちゃん‥少し休むか？」
「うん、そうしたいかも‥」



鈴音の様子に気がついた天才マンは
ベンチに共に座り息をついた。
その間に人は2人の目の前を通り過ぎる



「(神才マン‥どこなの‥？)」
「‥父さん」
「！！」



神才マンを思いながら休憩するが
ふと、天才マンが呟いた事に気がついて
鈴音は天才マンの手を握りしめた。


「！！ラッキーちゃん」
「大丈夫だよ、天才‥きっと見つかる」
「‥あぁ、そうだな」


ニッコリと微笑んだ天才マンに顔を
赤くさせて微笑むとその頬の熱を
覚ますためにキョロキョロと辺りを見回す。
当たりを見回していると‥右の方に、
黒いフードを被った男が歩いていくのが見えた。



「(あれ、黒いフード‥？珍しいなぁ、ここの人茶色のフードが多いのに)」


この星の人は茶色のフードを被っている
ことが多いのに、と思いながら
黒いフードの男を見ていた、その時！！



ビュウウウ！！


「っ、わ」

突如強い風が吹いた。
そしてその強い風のせいで
黒いフードの男のフードが取れて
彼の長い髪が‥ばさり、と下ろされた


「っ！？え、」



長くて白い髪が風になびいた
その男は風に目を瞑っていたが
すぐに目を開いて‥その男の
目を見た鈴音は息を詰まらせた。




「‥！！」




その男の瞳は‥宇宙を閉じ込めたかのような
紫と青の瞳
天才マンと同じ‥美しい顔立ち‥
そう、その男は‥



「‥し‥んさい、まん‥！！」



探していた神才マン
その人だった