茶を啜り‥真っ直ぐに天才マンを見ると
神使マンは口を開く


「‥‥まず‥‥裏宇宙から帰ってきて1ヶ月ほどしか立ってないのに訪問してきてくれてありがとう‥それで、訪問してくれた理由は‥？」



天才マンはコップを持ちながら
下に目線を向けていた‥が、


「‥天才、大丈夫？」
「‥あぁ、大丈夫だ」


鈴音に背中をさすられて
父のことを話すことにした。



「‥‥神使マン、私達は今‥父を探している旅の途中でこの星へ訪れた」
「！！」


天才マンのその言葉に目を見開くと‥
その言葉がどういうことか、と実感して
目を潤ませて‥手を震わせながらも
天才マンに手を伸ばした。


「‥神才マンを、探している途中で‥‥‥？それは、つまり‥神才マンは‥」
「‥‥‥あぁ、父が生きていることがわかった」
「っ、！！」


天才マンの言葉に耳を疑った
だが‥その言葉は‥神使マンが
待ちわびた言葉で‥
どれだけ生きていたらいいかと願って‥
その願いが今かなって‥！！


「‥ほ、ほんとう、に？‥彼が‥いきて、いると」
「‥はい」
「‥‥‥そうか‥そうか‥！」



神使マンは下を向き肩をふるわせる。
何事かと彼の肩に手を置いた鈴音が
彼の顔をのぞき込むと‥神使マンは泣いていた。
神使マンは‥嬉しさでボロボロと涙を流した
‥生きていた


‥我らのヒーローが、生きていた！！



「‥‥だが‥‥父は、記憶を全て失ってしまったんです」
「っ！？なに‥！？」



生きていたという喜びに浸っていたのも
つかの間、天才マンの次の言葉で
どん底に突き落とされた。



「‥父は、戻る途中で何者かに襲撃を受けて‥そのショックで記憶を失ってしまった、だから今まで‥」
「‥そんな‥！！」
「‥神使マン‥」


絶望に落とされた神使マンは
顔を真っ青にさせる、だが
天才マンは続ける


「神使マン、必ず私が父の記憶を取り戻す」
「‥この星に、また連れてきてみせる」
「‥だから安心して欲しい」
「そうだよ神使マン！！私たちもいるし‥きっと取り戻してみせるよ！！」
「‥天才マン‥ラッキーちゃん‥皆さん‥」


神使マンはまた一筋涙を流して、
前を向いた。



「‥必ず‥また、連れてきてください‥私達のヒーローを！！」
「もちろんだ」


握手を交わして席を立つ。
席を立って宇宙船へまた乗り込んで飛び立つ‥
その間、オシエ星の人々や神使マンが
手を振ってきた‥その宇宙船が見えなくなるまで