「神才マンの事‥？」
「神才マンの事、と言うと‥まさか宇宙に出なければ行けない理由というのは‥」


「そう‥私の父、神才マンは生きていた」



改めて告げられた事実に
呆気にとられ呆然として驚いた
‥そう、今4人には初めて告げられたのだ
神才マンが生きていたという事実は。


「‥じゃあ‥なんで、神才マンは」
「それは‥‥私の父は、記憶を失ってしまっていたからだ」
「記憶を！？」



こくり、と頷いて天才マンは
ヒーロー神から告げられた事実を全て話した


裏大宇宙とあかずの扉を封印する為に
向かってたった一人で戦ったこと‥
それを封印できたはいいが、我が宇宙に
戻って来てすぐに何者かに襲撃され
そのせいで記憶を失ってしまったこと‥


話を聞くに連れそれぞれはその襲撃した
物に対して敵意を持ち顔が険しくなる。
‥そして天才マンは全てを話し終えると
真っ直ぐに4人を見て告げた



「‥それでも、私の父は生きている！！ならば‥ならば、会いたいんだ！！会って記憶を取り戻して欲しい！！‥‥今まで、どうでもいいだなんて思っていた私にそんな事を思う権利なんてないと思っている！！だが、それでも、私は‥‥‥」



天才マンの握りしめた拳が震える。



「私は、父さんと‥家族として‥！！
家族として、話したいし‥隣にいたい‥！！」



その瞳が潤んで揺れているのが確かに見えた。



「‥‥‥天才」
「っ、！‥鈴音」


鈴音は天才マンの元へ駆け寄ると
彼の胸元に抱きついてきつく腕を回した。
胸元へやってきた鈴音を天才マンが彼女を見下ろす。



「‥‥一緒に行くよ、天才‥一緒に行かせて‥一緒に行って神才マンの記憶、取り戻そう」
「‥鈴音‥！」
「けっ！そこまで言われちゃあ行くしかねぇだろ‥行こうぜ天才マン！宇宙一のヒーローの記憶取り戻して戦って俺が勝ーつ！！」
「父親の話には弱いしなぁ‥一緒に行くよ！！それに神才マンと友達になりたいしね！」
「天才マン！！一緒に行きましょう！！そして！！ずびっ、神才マンと一緒にかえりまじょー！！」



鼻の下を擦りながらも答える勝利と
にこやかに笑いながら答えた友情
天才マンの話に涙誘われ泣きながら答えた努力に
天才マンは笑って答えた



「‥ふっ、そういうだろうと思っていたよ‥」
「んで？いつ行くんだ？」
「もうすぐだ」
「もうすぐ！？もうすぐって、でもその間地球は」

「その心配はない！」


どうするんだ、と言おうとしたその時
キュー‥という音が聞こえて振り返り‥
そこに立っていた人物を見てその名を叫んだ。



「「救世主マン！？」」

「もう連絡して彼に代わりに来てもらった‥私たちがいない間、彼が地球を守ってくれる」
「‥そういう事だ、だから何の心配もいらないから‥神才マンと一緒に戻ってこい‥」
「そっか！！ありがとう！救世主マン！！」
「！！‥い、いえ」


鈴音に対して赤くなりそっぽを
向いた救世主マンにムッとした顔を
しながらも天才マンは入口を指さした



「‥さぁ、もう行けるなら行こう」
「よっしゃ！！行こうぜ！！」
「おー！！」


こうして一同は神才マンを探すために
宇宙船に乗り飛び立ち‥救世主マンが
その様子を見て手を振り送り出した。
目指すは父の待つ星！！



「(今行くよ、父さん)」