さっちゃんが去った後…
1人、天才マンは顔を青くさせて俯いていた
そんな彼のことに気がついたのは
もちろん…恋人である鈴音だった


「ど…どうしたの天才マン、顔色悪いよ…？」

「か…勝てない…！」

「「！？」」


その言葉にヒーロー全員が振り返った
そしてなによりもそれに反応したのは
勝利マンだった


「今の我々の力ではさっちゃん…それどころか次の星の番人にすら…勝てない…！」
「そ、そんな！！でも、」
「帰りたいやつは帰れ」
「！？」
「元々この戦いは俺たち兄弟の戦いだ！テメーらには関係ねぇ！！とにかく俺は行くぜ！！」



勝利マンが行こうとしたその道を、
天才マンが塞いだ。



「どけ」
「勝利マン、私はあくまでも今のままでは勝てないと言っているだろう」
「いい加減にしろ！俺はどんなやつにでも必ず勝つ！怖けりゃここで大人しく待ってろ、さっちゃんの首手土産に帰ってきてやるぜ」
「いや、ヒーロー協会の一員として三人を負けると分かっている戦いにみすみす行かせるわけにはいかない」


「だから勝つって」


「お前達にとっては父の仇でもヒーロー協会にとっては全宇宙の運命がかかった戦いなんだ！お前ら三兄弟はヒーロー協会の大きな戦力だ、失うわけにはいかない」

「…分かったよ、それなら…ヒーロー協会なんて今すぐ辞めてやる!!!」



天才マンを押しのけて勝利マンは
構わず進もうとする、が！！


「っ、勝利マン！！」
「！！」


天才マンはそんな勝利マンにパンチを放つ！！
寸前で交わしたが頬に傷が付き、
勝利マンは天才マンを睨みつける



「なんの真似だ！！」
「お前をここで殴り倒してでも行かせはしない！！！」
「やめろ天才マン！！」
「そうだアニキ仲間割れは良くないぞ！！」
「天才マンやめて！！こんな時に…」