「………神才マン……」


500年後……
彼と出会った辺りの宇宙を眺めて
ため息をついた。
そう、ここで彼と自分とは始まった


「………お前は一体どこへ…子供の元へも…帰れずに…」


そう嘆き、目を瞑ると涙が一筋
流れた…だがその時だった、
誰かが自分の涙を拭ったのだ


「…？」
「…どうなされましたか？」


どこかで聞いた声
恐る恐る目を開けたヒーロー神は…
目の前を疑い目を大きく見開かせた



「！？…な、」
「どこか、痛いのですか？」


どこか拙く喋る黒いフードマントを被った男
その男は…






「し、し…！！！神才マン！！！」



そう、それは生死が分からなかった神才マンだった
目の煌めきを失ってこそはいたが…
それは確かに神才マンだった



「神才マン！！お前！！お前、無事だったのか！！」
「…えっ？」
「ワシがどれだけ心配したと…」
「………あの









どなたですか？あなた…」

「…えっ、？」




どこか警戒しながら言われた言葉に
ヒーロー神は固まった
神才マンは言葉を続ける



「……なにを、言って…わしだ！！ヒーロー神だ！！お前を後継者に選んだ！！」
「…後継者？…ヒーロー神？………分からない…分からないんです…」
「なに…！？」



「私は………全部、分からないんです……記憶が、ないから…………」

「…っ！？」




神才マンの口からでた言葉に
絶句した。
神才マンは話を続ける


「…私を知っているなら……ごめんなさい……私は……傷だらけの瀕死で宇宙を漂っていたらしくて………それで多分、記憶が」
「傷だらけ！？…誰かに、やられたのか…！！」
「…………そう、だと思います…誰かが私を襲い…ビームらしきものを打った、ような…」




それを聞いて分かったのは、神才マンが
この宇宙に戻ってきてすぐに誰かに襲われた
事で記憶を失った事だった

………いくら語り掛けても彼は分からないと言うだけであった…………


だがわしは諦めていない、彼の記憶を呼び起こすのを！！
そして思った！！立派なヒーローに成長した君と…ラッキーちゃんのラッキーならば
もしかしたら記憶を呼び起こすことが出来るかもしれない…だからそれまで待とう！！と…


これがワシの知っている全てだ