休憩の時間の時…彼女である鈴音
に御手洗と嘘をつき、ぼっちゃんマンと
共に二人で天才マンは抜け出した。
抜け出し…誰も来ない多目的トイレに行くと
鍵をかけて…ぼっちゃんマンの方へ振り向いた。


「……さて、ヒーロー神様……ここでなら変装を解いてもよろしいかと」


ぼっちゃんマンはふっ、と笑うと
白い煙と共に姿が隠れ…煙が晴れた
その先には、神々しい顔をした老人が
立っていた


「ふむ、すまんのぉ天才マン…色々気を使わせて貰って」
「いえいえ、当然のことです………」
「その顔つき…頭脳…まさに、父の神才マンにそっくりよのおう」


頭を垂れて頭を下げる天才マン…
頭をあげる…と、真剣な面持ちになる


「……ヒーロー神様……私は貴方と二人になる時を待っていました……貴方には聞きたいことがあるので…」
「全て言わずとも良い…神才マンの事であろう？………彼は、本当に素晴らしいヒーローだった…」


目を細めて語り始める…
彼、神才マンの事を…


「…彼を私の後継者にと選んだのは…実力だけでは無い…彼の”人格”も素晴らしかったからだ」


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それは110万年前の事…
神才マンは世界を平和にするために、
人々を幸せにする為にと故郷の皆から
賞賛された”神とも言われる力”を使い
悪を潰し、悪を浄化し更生させ…悪を殲滅させて行った


「今日もまた平和な星がひとつ増えた…いいぞ私！！この勢いでこの宇宙を平和にし！！子供達の笑顔を守るのだ！！」


拳を強く握ってそう意気込む神才マン。
そんな神才マンを遠くからヒーロー神は
見ていた…


「…いい、いいなあのヒーロー…」


その実力
その慈悲深さ
その平和を願う優しさ、人格
…そんな彼をヒーロー神は認めた
そして神才マンの元へ舞い降りた…


「神才マンよ」
「！？誰だ私を呼ぶのは……！？」


当たりを見回していた神才マンは
上に気づいて上を見やる、と驚きで
口をあんぐりと開けた…なぜならば
神々しいオーラを纏う老人が舞い降りて
来ていたからだ


「…貴方は…もしかして、ヒーロー神様…」
「そうだ、神才マン」
「なぜ私の名を？…なぜ私の前に」
「それはだな、わしがいつもお前を見ていたからだ……お前にとある事を頼みたくてな」
「なんでしょう？この私に出来るのならば！！」


胸を叩きヒーロー神に笑顔を向ける。
ヒーロー神は笑みを浮かべて口を開く


「神才マンよ…お前の力や性格はまさに神に近い、そこでだ！！」






「神才マン、お前にわしの後継者になってもらいたい」
「な…！？」


神才マンは想像のはるか上の頼みに
驚愕の表情を浮かべた。



はっ、と我に帰った神才マンは
改めてヒーロー神に問いつめた。


「ひ、ヒーロー神様！？どういう事ですか！？わ、私を後継者にとは！？なぜ私を！？」
「慌てるな神才マン…お前を後継者に選んだ理由は、お前のその平和を願う人格だ」
「……人格……」


冷静になった神才マンは
ヒーロー神をじっと見つめながら
言葉を待つ。


「お前のその誰よりも平和を願う優しさ！悪にも更生の機会をやる慈悲深さにわしは感動した！！そして…お前にならば、この宇宙の今後を任せられると思ったんだ」
「……………ヒーロー神様…………」
「どうだ神才マン？…まだ今は引退はせんがいずれ神を引退するわしの代わりに…時期、ヒーロー神になってくれるな？」


神才マンはその場に跪いた。



「……私で良いのならば…」


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ヒーロー神から語られた過去話に
改めて父の凄さを知り天才マンは
ぽかん、としていた口を閉じて
真剣な表情になりヒーロー神に向かった



「………父の凄さと、貴方が父とどうやって知り合ったのは分かりました………ここからが、本題です」



震える手を握りしめて、天才マンは
震える声でヒーロー神に聞いた








「世直し、マン、が、言っていた……





父は、生きているというのは、本当なんですか…………？」




その質問にヒーロー神は目を閉じ…
しばらく間を開けて、答えた



「…本当だ」
「！！」


やはり本当なのだ、と知り目を大きく
見開かせた、が直ぐに肩を掴み声を荒げた


「だったら！！だったらどうして父は帰ってないんです！！どうして今まで！！800年間物の間私に黙って…！！」


徐々にその声は小さくなり…涙声になりつつある
天才マンの手を優しく退けると、ヒーロー神は
語る



「………お前の辛さはよく知っている…だが、全て訳があるんだ…聞いてくれるか？…………お前にとっては辛い話になるだろうが…」

「………………覚悟は、できています…包み隠さず全て話してください…」



一瞬辛そうに顔を歪めたが
目を閉じ…また口を開く