次の日、一人の宇宙人を乗せたUFOが飛来してきた。




「俺は目玉つながり星からきたガンマンだ！！地球人を撃ち殺して地球を征服してやる！！」



その宇宙人は、銃を装備したハードボイルド風な男だった。
そう決まり文句を叫ぶと銃を乱射し始めた。
努力と鈴音はこそこそと相談し合う。




「あ、あれどう見てもスーパースターマン勝てないよ······」

「次のにしますか···」



「待てーーー！！」




ふと、後ろから聞き慣れた大声が。



「ひとーつ、一際目立つこの格好！」

「あちゃー、出てきちゃった····」



努力が額に手を当てて呆れ返るのも気にせず言葉を続ける。




「ふたつ、降った女は数万人！みっつ見てくれ！スーパースターマンお出ましーーー！！」




自慢の兄の登場で拓内と真千子が騒ぎ始め、彼の周りに内職の薔薇を散らす。




「さぁ師匠、我々も変身しましょう！」

「だね！スーパースターマンだけじゃ心配····」




ばびょーん！！
二人は物陰に変身し、宇宙人の前に立った。




「ラッキーマンと努力マン参上！ラッキー、クッキー、努力マンの世話好き。」

「だってあの兄妹が可愛そうなんだもーん！！」



　
努力マンと鈴音の姿を見るなりスーパースターマンは威張り始める。




「遅いぞ子分のラッキーマンと努力マン！！」

「こ、子分！？ちょっと聞いた今の···」

「師匠今日だけはこらえましょう···」

「ほら、私の子分である印のスターバッジを胸につけて····」

「えっ？(こ、これは…私が苦労して作り変えてやった物…こ、これなら銀紙のがよかった)」




そろそろ努力マンも限界であった。




「う、うぬぬ、なんて野郎…だが我慢だ、我慢……」


「この通りこいつらは私の子分だーっ！
今日は私一人でやっつける、そのへんで見ていたまえ！」


「う～っ、我慢我慢、今日だけは我慢、」



「さあ、勝負だガンマン！！このスーパースターガンでやっつけてやるぜ！」


ヒュウウウ…


「ははは、俺と銃で勝負するとはいい度胸だぜ。」



一触即発の雰囲気に、努力マンと鈴音は唾を飲み込む。



「(スーパースターマン、その銃は決してヤツの銃に負けない…狙いさえ外さなければ大丈夫だ。)」



ガンマンが銃の引き金に指をかけたとき、努力マンは叫んだ。



「撃て！！スーパースターマン！！」


ドギューン！！

ズギューン！！



２発の銃の音が響き渡った。

先に膝をついたのは…スーパースターマンだった。誰もがスーパースターマンが負けたと思いこんだが…

次の瞬間、倒れたのはガンマンだった。
背中から血を出して倒れた。スーパースターマンが勝ったのだ！！



「「わーっ！！やった！！やった！にいちゃんの勝ちだー！！」」
「なんだスーパースターマンやるじゃないか！！」




ワアアア！！と皆はスーパースターマンに駆け寄る。もちろん、これは努力マンと鈴音の活躍あってこそだ。


解説しよう。ガンマンの撃った弾はまっすぐスーパースターマンに真っ直ぐ向かっていた。しかしそれを驚異の動体視力で見抜いた努力マンはその弾丸の軌道を小石を指で弾いて変えたのだ。　　　



そして、スーパースターマンの撃った弾はとんでもない方向に飛んだが……



ガァン！！


「(ぴゃあああ！？何何！？)」


鈴音の胸についたどんなものよりも硬い超合金Xのスターバッジに跳ね返りガンマンに当たったのだ！！




「師匠、ありがとうございました！師匠も憎いっすねー！自分には関係ないふりしてちゃんとヤツの弾道計算して跳ね返すとは！」

「冗談じゃないよ！！びっくりしたんだから！！」

「またまたこのこの憎い憎い！！」

「違うってーー！！」

「「バイバーイ！君たち今回は何もしなかったねー。」」



いや、したんだよ…




「アディオース！」

「今回はよくやったぞスーパースターマン！」

「ありがとう！」



「ふ~っ……」

しばらくペガサスに乗って歩き、街の人の目が届かないところへ行くと…


ドザッ！！


スーパースターマンは倒れてしまった。
宇宙人と一対一で戦ったことのないスーパースターマンは極度に緊張し、その緊張の糸が切れた今全身の力が一気に抜けたのだ。



「あっ、スーパースターマンが！！」

「大丈夫かスーパースターマン！痩せ我慢するからだ！」



すぐさま駆け寄りスーパースターマンを抱き起こす。



「余計なことしやがって、あんなことしなくても一人で勝てたぜ…」

「えっ、気づいてたの！？」

「バカにするな私は宇宙一のヒーローだ
…」

「そ、そうか…」

「君たちのようなダサい三流ヒーローとは違うのだ！はっはっは！」

「何だとコラーーっ！！」



ちゃんちゃん。