「例えば努力マン！！1回戦でラッキーちゃんと当たらなければ余裕でベスト16に入れる」
「うんうん、だよね！！私もそう思うよ！！」
「そしてトップマンや一匹狼マンだって俺の見たところではそこそこの実力はあった!これじゃ本当に強い16人は選べねーぜ!!‥そう言いたかったんだろラッキーちゃん」
「勝利マンが言いたいこと全部言ってくれちゃった」


へへ、と眉を下げながらも笑う鈴音
勝利マンのいうことは最もで‥
確かに、と観客やヒーローたちも
納得をせざるを得なくなり
会場はざわつき始める


「そう言われればそうだな‥」
「確かに‥」


‥ただ、そのざわつきはトーナメント表
のことだけではなく‥


「なんだなんだ？勝利マンとラッキーちゃん‥距離近くないかー‥？」
「もしかして、勝利マンとラッキーちゃんって‥出来てるんじゃ」


「え！？」


なんて！？と思いと観客を見れば
かなりの人数が勝利マンと自分の
仲を勘違いし始めていて‥



「そんなのいやー！！勝利マン様〜！！」
「ち、違うよ！？できてないよ！？(私の彼氏は天才だってば！！！)」
「できてねぇできてねぇ」

「なーんだそうなの〜？」


慌てて弁解すれば、勝利マンも弁解してくれて
誤解は解けた‥が、その間にも試合は
始まり始めていた。
もやしマンvsひ弱マン
貧弱マンvs弱虫マンという弱すぎるもの
同士の戦いに観客も盛り上がらず
しらー‥っとした雰囲気が流れて
観客も不満を持ち始めた


「おいおいこれじゃあんなんがヒーローになんのかよ！！」
「おかしいだろ！！コラー！！ハゲオヤジ！！何考えてトーナメント表作ってんだ！？」
「わっわっ！！やめて今バリア故障中なんだよ！！」


物を次々に会長に投げながら
不満を叫ぶ観客
観客の怒りは止まらない！



「大体1回戦でラッキーちゃんと努力マンはねぇだろうが！！！」
「い、いや実はこれはわしじゃなくてひしょ香君が…あっ！！」


まくし立てられてとうとう会長は口を滑らせてしまった。
ひしょ香ちゃんはよろけると涙をポロポロ
こぼして泣き出した。


「ひしょひしょ〜っ！」
「わーー！！！泣かないで！！マンションだけじゃなくて別荘も買ってあげるから！！」
「なんだ！？あのヒーロートーナメント表ひしょ香ちゃんが作ったのか！？」


ここでトーナメント表をひしょ香ちゃんが
作った事が露見されてしまい
観客の怒りの矢はひしょ香ちゃんに向かってしまう


「いくら可愛くたって許されない事があるよなあ」



「ヒーローの事何も知らないんだぜきっと」
「あっ!しかもこれ天才マンの所だけずっと弱い相手が続くようにできているぞ!」
「本当だ!」
「やりやがったなひしょ香!」


会場全体から非難が飛び交い、ひしょ香は泣いた。

彼女がいることは知ってしまった
だから‥好きでいるだけにした
だけど、どうしても‥好きな人の
かっこいいところが見たかったから

そんな中、一人の男がひしょ香の前に立った


「君たち騒ぐのはやめたまえよ！！」