吹っ飛ばされたトップマンは顔面から
地面にたたきつけられて…シンパンマンに
抱き起こされて、勝利マンは高々と
手を真ん中で上げてもらう。


「…もう、終わったの…？」
「…こ、これが…答えだと…？」



一瞬にして終わったその試合に
努力マンは混乱していた
華を持たせると思いきや、あっという間に
終わらせてしまった。
これでは星の人達が…

そう悩みこんでいる努力マンに勝利マンはいった


「努力、どんな相手だろうとどんな理由があろうと全力で戦うのが礼儀だ…お前にも言えることだぞラッキーちゃん」
「「！！」」


自分にも話を振られて
思わず姿勢を正す鈴音。
勝利マンは言葉を続ける


「手を抜いて戦ってもなんの意味もねぇ！勝っても負けても全力を出さなかったらそこに残るのは悔いだけだ」
「「……」」


確かにそうかもしれない、と思い込む
2人の視界にトップマンの元へ駆け寄る
星の人達が目に入る。
星の人達がトップマンに肩を貸し…
よろよろとトップマンは立ち上がる



「…か、彼に一言言いたいことが…ある」
「！！」



よろよろと星の人達に肩を貸してもらって
トップマンが勝利マンの元へ歩み寄る
何を言うのか、と緊張の面持ちで見守る2人…



「しょ…勝利マン…ありがとう…」
「へ！」
「え？」


彼の口から出た感謝の言葉に
2人は驚いた。



「あんたが思いっきりブチのめしてくれたおかげで…自分の実力がよく分かった。あんたみたいな本当に強い男と一回戦で戦えて、私は幸せだ。中途半端な奴にやられてたら自分の実力を知る事も出来ず、こんなスッキリした気持ちにもなれなかったの違いない…」

「その通りじゃ……それに、我々はいつの間にかトップマンをヒーローに仕立てようと追い込んでしまっていたようじゃ…」

「もし、このトーナメントに参加せずトップマンをヒーロー扱いしていたらいつか悪の前に命を落とす事になっていたじゃろう、それを分からせてくれた勝利マンには礼を言わなければならない。全力でぶつかってくれてありがとう」