対戦表を見た鈴音は愕然とした。
なぜなら自分の初戦の相手は…努力マンだったからだ


「い…1回戦から、努力と戦うの！？」


1回戦から知り合いと戦うという
事実にショックを隠せない様子の
鈴音にぼっちゃんマンはその様子を見ていた…


「(先生のために…！！僕が行くでちゅー！！)」


張り切っている様子のぼっちゃんマンは
なにか閃いたのかこっそりと悩んでいる様子の
鈴音の目を盗んで部屋から出て、
努力マンの元へと走っていった…


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一方努力マンは、鈴音と
戦える喜びに体をふるわせていた


「い…1回戦から師匠と！！これで私の実力を十分に試せる！！全力でぶつかり修行の成果を見せるのだ！！！」


メラメラと炎を燃やす努力マンの
元へぼっちゃんマンが走って来て
部屋に入ってきた。


「努力にいさーん！！」
「あっ、ぼっちゃんマン」
「努力兄さん、1回戦からラッキーマン先生と戦いますけど…」
「ああ！！がんばっ…」


次の瞬間、ぼっちゃんマンは衝撃の一言を
努力マンにたたきつけた






「当然、弟子としてはラッキーマン先生にわざと負けてくれまちゅよね？」
「！？」






その一言に努力マンは怒りの表情で怒鳴る、だが…


「な…何を言っているんだおま…！！」
「だ、だって努力兄さんだって！ラッキーマン先生に1位…ヒーローになってほちいでちょ？」
「っ！？」


言葉を失い、固まった努力マンに
ぼっちゃんマンはすらすらと
言葉を続けた


「努力兄さんとラッキーマン先生が本気で戦ったって先生の体力を浪費させるだけでちゅよ？先生が1位になるためには弟子である努力兄さんは身を引くべきでちゅよ、僕ならそうしまちゅ」
「っ！！！」


ぼっちゃんマンのその言葉に、
確かにと納得出来るような思いに駆られた。
確かに自分が戦ったところで鈴音には
叶わないのかもしれないと…




「先生は、「自分で認定証を手に入れたい」って言ってまちたよ、その思いを弟子が踏みにじっちゃダメだと思いまちゅ」

「！！…………そ、うなのかも…しれない」
「勝ちを譲ること、よく考えてほちいでちゅ努力兄さん…先生のために」



それでは、とお辞儀をするとぼっちゃんマンは
部屋から出ていき…部屋には葛藤する
努力マンだけが残された。