「な、なぜ…そのヒーローの名を！！」
「おいジジイ！！ほんとに何もんだお前！！」



神才マン

このヒーローの名を、たった今この老人が
発言したことにより彼と何か関係がある人物だと分かった3人は神使マンに問い、
神才マンを知らぬ友情マンと努力マンは
？を沢山浮かべた


「…神才マン？とは…誰ですか？友情兄さん」
「いやすまん、私にも…」
「えとね、神才マンは100万年ほど前以上…ヒーロー協会がまだできる前にヒーローとして活躍してた、かつて宇宙最強のヒーロー…最も神にふさわしいと言われた、伝説のヒーローの名前だよ」

「「神に相応しい伝説のヒーロー！？！？」」
「うーん、是非とも友達になりたい！！」


鈴音の説明に友情マンが唾を飲み込み唸った。
そしてポツリ、と天才マンが呟く


「そう、神に相応しい伝説のヒーロー…神の才能を持つヒーロー………そして…私の、父…神才マン…」

「っえ”！？」
「て、ててて天才マンの父さん！？」



またその発言に友情マンと努力マンは
目を飛び出させて驚いた。
その間にも神使マンは天才マンの両肩を
掴んでボロボロと泣いていた。
泣いてはいたが…どこか懐かしそうに…
どこか、嬉しそうに…



「あぁ…この美しいお顔立ち…本当に、彼の…神才マンの息子…！！お懐かしや…う、うぅ…！！」
「おい爺さん、思い出に浸ってないで答えろ！！あんたは何もんだ！！そんで神才マンとなんの関係がある！！！」
「あ、そうだ、息子である伝えたいことがあって……あぁ、でも…人のいない所でお話したいので……私の宇宙船に乗ってどこか、人のいない所へ…」
「えっ、どうする…？」
「……私は行くぞ、父の事を知っているのならば聞きたい」



天才マンは少し考えると、頷いて
神使マンと一緒に行くことを決意したようだった。
その天才マンの様子を見て、鈴音も頷いた


「だったら、私も行く！！神才マンの事知りたいもの！！」
「鈴音‥」
「だって、好きな彼氏のお父さんだもの‥もっと知りたいと、思うもん」
「鈴音…！私も、君を好きだよ…！」
「あーはいはいラブラブねー、わたしたちもいきますよ！ね！」
「えぇ！」
「俺もだ、宇宙一だのなんだのと聞いてじっとしていられるか！！」


照れ照れとしながらもイチャつく天才マンと鈴音を軽くいなして三兄弟も
行く意思を見せた。
行く意思を見せたヒーロー達を見た神使マンは
ホッとした顔をして宇宙船のドアを開けた。


「で、では乗ってください…どこか人のいない所へ行くので…」
「よし、行こっか！！」


一同は宇宙船に乗ると人気のない場所を指定してそこへ向かい始めた。
向かい始めたのは、廃墟となった建物がある山奥である
そして人気のない山奥まで来ると、
神使マンは改めて向かい、宇宙船の中で口を開いた


「…改めて、お時間頂きありがとうございます…まずは、なぜ私が神才マンと天才マンさんが親子であることを知っているかを…お話します」
「「……」」

「……私を始めとした、オシエ星の人々は……1500年ほど前から神才マンと交流がありました、そう…彼に助けられてから彼と仲良くなり…神才マンは、何度も私たちの星を訪問してくれて……神才マンは、2度も私たちを救ってくれたこともあり、私たちオシエ星の人々にとって彼はまさに”神”のような存在でした…」



ポツリ、ポツリと神使マンは目を閉じて
思い出話をするかのように話し始めた。



「ある日…700年ほど前に…神才マンが嬉しそうにして、私たちの星を訪問してきてくれました…訪問した理由、それは”自身に子供が出来た”という、何よりも喜ばしい報告でした」
「！」
「…子供の名前は自分の名を取って
”天才”にするのだと……どんな子に育つか楽しみだと、子の成長を見るのが楽しみだと…それは嬉しそうに…そして私達も彼と同じくらいに嬉しかった…」
「…神才マンは、本当に天才マンを大事に想っていたんだね」
「…あぁ…」


その話を聞き、天才マンは心の底から
染み渡るような嬉しさや感動の思いが湧いた
それと同時に…そんな父のことを”顔も見た事がないから”と興味を向けていなかった事に、罪悪感が湧いた。



「…私たちと神才マンの出会いは…1000年前でした、それは…凶悪宇宙人が私たちの財産や食べ物を狙って攻めてきた時、どこからともなく現れた彼は私たちを助けてくれました」



初めて彼が目の前に現れて救ってくれたことを
神使マンは忘れない
あの後ろ姿、あの戦う姿を絶対に忘れない。
意識を昔に飛ばして語る。



「…凶悪宇宙人はとても強く…戦う力があまりない私たちは為す術なく…このまま、彼らのされたいようにされるのかと絶望した時、彼は現れました」