観覧車へ付くと少し並んで、
巨大観覧車へ乗り込んだ。
鈴音は観覧車の上から見える景色に
窓に手をついて景色を楽しんでいた。


「わぁーー…！綺麗！！」
「あぁ、そうだな」


お互い向かい合うようにして座って
景色を眺める
ヒーローに変身すれば空を飛べるが、
それとはまた違う景色だった。



「ヒーローに変身したら飛べるけどこんなにゆっくり景色は楽しめないものね！」
「ふっ、まぁ変身するのは宇宙人と戦う時だからな」
「ねー」


くすくす、と笑いながらまた景色に目を移す鈴音
天才は景色よりも何よりも…鈴音の事を
真っ直ぐに見て、見つめていた
彼にとっては景色よりも何よりも…
夕焼けに照らされた鈴音の方が美しく
見えて…頬を真っ赤に染めながらぽーっと
鈴音のことを見つめていた。


「…！」


景色を眺めていた鈴音は
天才に声をかけようと天才の方を見て、
彼の自分を見つめる愛おしげで幸せそうな
美しい微笑みに胸ときめいた。
思わず下を向くと、天才が口を開いた


「…鈴音、そっちへ行っていいか」
「…ん、いーよ…」


鈴音の返事を聞くと天才は立ち上がって
鈴音の隣へ座った
狭い観覧車内で、隣同士で座れば
当然近くなり手や腕が自然に触れ合う。
散々腕を組んだりしたくせに、鈴音の
胸は大きく高鳴り顔に熱が集まる
観覧車は、もうすぐ頂上へ到着する


「…」
「…」


横に座った天才の方を見ると、
天才も鈴音の方を見ていたようで
視線がかち合った
なんとなく、そのエメラルドのような瞳から目が離せなくて…じっとその瞳を
見つめていた。



「……鈴音」
「、なぁに…？」
「…………その」
「……うん…」


なにやら言いにくいのか照れくさそうに
口を開く‥が、少しして本題の言葉が出た




「……キス、したいんだが」
「！！」