そしてデート当日の日…
けたたましくなる目覚ましの音て鈴音は
目を覚まし、手探りで目覚ましを止めると
目を擦りながら目覚ましを確認する。
目覚ましの時刻は8時ちょうど、かけた時間ピッタリだ


「うーんちょうどピッタリ…！良かったぁ」


ほっと胸をなでおろしながらボサボサになった長い髪を部屋にかけてある鏡で確認
しながらブラシで解いて、置いてあった
オレンジのゴムでいつものツインテールに結ぶ。


「ふんふ〜ん…♪」


花歌を歌いながら服を取る、
髪型の確認をすると次は服だ。
パジャマを脱いで昨日選び抜いたデート服…ピンク色のフリルシャツと花柄のハイウエストのスカートに黒いニーハイソックスを履いて1階のリビングへ降りた。


「鈴音ちゃんおはよう〜、あら？オシャレして今日どこか行くの？」
「おはよーママ！うん、ちょっとね〜」


下へ降りるとママが朝食を準備していた
お洒落した鈴音に両親が反応する


「まさか…デートか！？」
「え？…うーん、うふふその通り」
「何ーーーーっ！？！？」


突然の娘のデート発言にコーヒーを飲んでいた
パパはがたり、と勢いよく立ち上がり叫んだ
一方の鈴音は朝食のトーストを口に運んでおり、
ママはそのデート相手が例の好きな男の子であることを察して微笑んだ。


「だ、な！！誰だ！？！？杉田くんか！？」
「違うよー」
「じゃあ誰だ！？！？」
「もーパパ、そんなに叫ばないの」
「だって、だってママ！！デートって！！」


言い合いをする両親を横目に朝食を口に運ぶ鈴音。
そして朝食を食べ追えるとご馳走様、と言い残して洗面台で顔を洗って歯を磨き、
身だしなみの確認をし、カバンに財布やハンカチを入れて玄関へ向かおうとしたその時…


ピンポーン


「あれ？誰だろ」


そこでチャイムがなり、
誰だと思いながらドアホン子機の方へ
向かった


「はーい？どなた？」
「鈴音、私だ」
「あれっ天才！？迎えに来てくれたの？」



インターホンの向こうにいるのが彼氏だと
知り慌てて玄関を開ける。


「天才！！おは…」
「おはよう、鈴音」


するとそこに居たのは黒いジャケットに白いワイシャツにベージュのズボンで決め込んだ天才が立っており、いつもとは違う彼の姿に鈴音は胸をときめかせた。


「て、天才いつもと雰囲気違うね…えと、似合ってる！かっこいいよ！」
「ありがとう…お前もその服装、私の為に悩んで選んだ服なのだろう？天才だから…知っているよ」


優しく微笑んで答える天才に少し下を向いて照れる鈴音。


「あ、えと迎えに来てくれてありがとう！」
「待ち合わせだと言ったが…こちらもいてもたってもいられなくなってな、迎えに来てしまった」


頬を軽くかきながら説明した天才に
天才も楽しみにしていてくれていたのだと
鈴音は嬉しく思った。
そしてその後ろからひょっこりと顔を出している両親…


「あら、天才くんじゃない！！彼とのデートだったのね〜…！」
「あぁ！！！あ、あの時のイケメン…！！」



影で見ている両親に気がついた天才は
ぴょい、と顔を覗かせると軽く会釈をした。

「？どしたの天才…あー！！パパママ何してんの！！」
「あらやだバレちゃった〜！！」
「んもーー！！覗き見やめてよ！！もー天才、いこ！！」
「ん？あぁ、行くか」


両親に対してぷりぷりと怒ると天才の
腕を引いて玄関を出て外に出た。


「パパもママも人が悪いんだから〜…」
「ふっ、愉快なご両親では無いか」
「…それはよく言われるかな」


眉を下げて苦笑しながら歩く鈴音
に小さく微笑むと肘をすっ、と伸ばしてきた。
その行動に？を浮かべる鈴音は
天才の顔をじっと見る


「？天才？」
「…恋人らしく、腕でも組もうじゃないか」


これもデートのうちさ、と返すと
その行動の意味を察した鈴音は
少し照れた様子を見せるとそっ、と
腕を組んで歩き始めた。


「…えと、少しこれ照れちゃうね」
「体が密着するからな」
「天才も照れちゃってるの？」
「…まぁ、な」


頬を染めて少しそっぽを向く天才に
嬉しそうに笑う鈴音
そんな風に話しつつ遊園地へ向井歩いて言った。