「…まず、残っていてくれてありがとう…」
「……ううん、大丈夫、」
「………今回、お前に残って貰ったのは…大切な事を、伝えたかったからだ」


大切な事、というワードに目を逸らして
目を泳がせるが…また天才の方を見る。


「……私、もちょうど、天才に伝えたい事があったから……」
「！！お前も、私に？」
「う、ん…だからちゃ、じゃないやちょうど良かった、」


噛みながらも告げた鈴音は
顔を赤くして下を向く
その様子に天才の方も「もしかして」
と目を大きく一瞬見開いた、が
また真剣な表情に戻した。


「………私から、先にいいかな？」
「…いい、よ」
「…………ありがとう、」


後ろをむくと大きく深呼吸を繰り返し…
心を平穏に保ち…また振り向いて彼女に
向かい合う。


「……随分と時間が経ったな、君が私を助けてくれた時から…」
「、うん」
「あの日、鈴音が私の腹を押し水を吐き出させてくれて…認定証を返してくれたから今の私があるんだ、感謝している…」
「やだな、ただのラッキーだよ…」


ぽつり、ぽつりと語りながらも
告白話を出そうとする天才。
語る彼に鈴音は胸を大きく高鳴らせ
ながら本命の話を出そうと口を開く。


「…あの日から、君は…私にとって…大事な存在になったんだ」
「大事な…存在…？」
「…あぁ、その………鈴音、ここから大事な話をするが…」


目線をあちこちにやりながらも、
余裕がなさそうな…不安そうな顔をしながらも
耳まで顔を赤くさせて天才はこう問いた。


「……もしも…」
「もしも…？」
「……………もしも……私が君を仲間とは違う目で見ていたと言ったら…どうする？」
「え？」


天才のその問いにぴたり、と固まり
脳内でその声がぐるぐると回る。
目を固く閉じていた後に…天才は目を開くと、
本命の話を口に出した。







「鈴音…私、は…私は、」
「………はぃ……！」

「私は…この世のどの女性よりも……君を魅力的な女性だと思っている！！君は、初めて………私が、心の底から………」

「好きになった、女性だ！！」



赤くした顔で…
真剣な表情で…天才は

教室の中で、鈴音に告白を果たした。