「勝利の大切な話ってなんだろう‥？」


鞄を持ちながらも勝利の指定された
校舎裏の木の前に向かう鈴音。
回り込んで歩いていくと目的の木の場所に
つき‥そしてそこにはもう先に勝利が着いており
木に寄りかかり鈴音を待っていた。


「勝利」
「おう」


声をかければ寄りかかっていた木から
離れて鈴音の元へ歩いてくる‥
さく、さくと草をふむ音がやけにその場に響く。


「勝利、話って何？」


そしてそれと同時の時間に‥
足音をたてぬように近づくと校舎の影に隠れて
2人の様子を見る影がひとつ
それは勿論、2人の様子が気になって
着いてきた天才だった。



「‥‥‥‥(‥鈴音は、どう答えるんだ)」



悪いこととは思っていながらも唾を飲み込み勝利の言葉を待つ。
勝利は顔を赤くして目を逸らしつつ
言葉を濁す。


「‥そのだな‥」
「？うん」
「‥‥‥」


様子がおかしい勝利に鈴音は
不思議そうに見ながらも彼の言葉を待つ
そして勝利は鈴音の目を真っ直ぐに
見ると口を開く


「‥1度しか言わねぇから聞けよ」
「う、うん」


どんな大事な話なのだろうと
姿勢を正して勝利の言葉を待つ。


「‥鈴音、俺は‥」
「‥うん‥」
「‥‥‥俺は‥」
「(‥‥)」


ハラハラしながらも見る天才。
彼の言葉で、彼女の返答で自分の
失恋かどうかが決まるのだから‥


「‥‥俺は‥」
「‥‥‥‥勝利‥？」
「‥鈴音！！」
「！？はいっ！！」


勝利は、ついに顔を赤くさせながらも高らかに叫んだ。


「俺は‥‥お前のことが好きだ！！」
「‥！？」
「(言った‥！)」


突然大声で叫ばれたのは自分への想いへの告白‥
鈴音はびくり、と肩を跳ねさせながらも
その言葉を改めて認識して‥‥一気に赤くなった。


「‥っえ？へ‥勝利‥が、私の事‥‥好き？」
「そうだ」
「‥えと‥それ、で？」
「‥‥‥俺と付き合って欲しい」
「‥へぁ‥」



勝利から告げられた言葉、そして
交際への告白に顔を真っ赤にする鈴音
その言葉に鈴音はどう言葉を
返すか、心の中で思い返す。


「(‥勝利は確かに大事な仲間だし、かっこいいとは思うよ)」
「(‥彼は真剣に私に想いを告白してくれている‥‥でも‥)」


それでも鈴音の脳内に、心に浮かんだのは‥
金髪の彼だった。