それは昨日の放課後の事だった。
勝利は放課後すぐにポケットから例の紙を
取り出して天才の靴の中に入れた。


「これでお前がどうするとしても俺はアイツに告白するからな、天才」


そう呟くとまだ誰も下校していないうちに
一番に下校して行ったのだ
足早に下校しながら勝利は‥鈴音に
惚れた時を思い出す。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


そう、彼女に惚れたのは恐らく‥初めてであった
あの時だと自分自身でも思う
戦いの後鈴音が見せたあの笑顔を
勝利は忘れない。


「でも勝利マンの勝利への執念にはほんとまいったよ…すごいよね、勝利マンって！」


そう言って笑いかけた鈴音の笑顔に
初めて強く心高鳴り目を奪われたんだ
今まで遊び程度に女をひっかけた事は
多々あれどこんなに一人の女に心奪われた
事はなかった。
その時はすぐには分からなかった、
けれど、大火傷を負った後に前線に
復活した際、鈴音は泣きながら
自分が無事だったことを喜んでくれた。


「うわぁぁん！！無事て良かった！！」


自分の事のように仲間の事を怒れて
何よりも無事だったことが分かれば大泣きして
縋り付いたこの女のことが誰よりも、他の女
よりも大事な存在であることがその時に気がついた。


決闘星で分かれてしまった時には彼女の
身を心配して‥
地球で鈴音が自分の腕の中に落ちて
来た時は思わずドキッとしたが、無事であることが嬉しくて‥
鈴音が太陽に突っ込んだ時はこれほどまでに無い
喪失感に襲われて‥

そして地球て学生生活を送ることになり‥
ふとした瞬間、鈴音と同じ時間を過ごせることが嬉しくて‥
過ごせば過ごすほど、鈴音の隣に
立ちたいという思いが募っていって‥

だからこそ、だからこそ‥


「(ここで俺は決着をつける)」


だからこそ、もう早く決着をつけてやろう
そう勝利は決めて手紙を彼の靴へ入れて
告白をすることに決めた

勝負の意味でも‥恋の意味でもライバルである彼への宣戦布告。


「お前がうじうじしてるなら俺が奪う」