そして放課後‥授業が終わった生徒たちは
下校をし始めていた。
さて自分も、と天才が鞄を持つとそこに駆け寄る
女子が1人。


「天才！！天才！！」
「！！鈴音‥！」


鈴音が声をかけてきてくれたことに
嬉しく思いながらも彼女の方へ向く。
鈴音は眉を下げながら口を開く


「天才‥最近悩んでたみたいだけど、もう大丈夫なの？」
「え？」
「最近くらい顔してたけどさ、今日は明るい顔してたから悩み、無くなったのかな‥って」
「‥鈴音‥！」


鈴音が心配してくれていた
自分の様子が違うことに気がついてくれていた
と言う事実に喜びをかみ締めながらも
笑みを浮かべて返答した。


「‥まだ悩みは無くなっていないが、もう後ろ向きな思いはなくなったよ、ありがとう」
「本当？‥私に出来ることがあったら言ってね」
「ああ、その時は言わせてもらうよ」


‥告げるのは悩みではなく‥
想いだが、と心の底で呟いて天才は
決意をした。



「(‥もう、いいよな)」
「(告げる時はもう来た‥)」



目の前の鈴音を見つめて、決意した






「(告白しよう‥‥鈴音に)」




自分の思いを告げると‥
彼女に‥告白すると‥


「？天才‥？」
「ん？ううん、なんでもないんだ‥」
「？そっか‥」


対する鈴音も、暗い顔をしていた
天才がいつもの優しい笑顔で自分を
見つめてくれることが嬉しくて‥
もう大丈夫の言葉に安心して‥
胸を大きく高鳴らせた。


「あ、私‥みっちゃんとです代ちゃん待たせてるから行くね！帰り道買い物行くの！」
「そうか、楽しんでこい」
「うん！！じゃあね！！」

手を振りながら走っていった鈴音を
見送ると鞄を持ちゆっくりと下駄箱へ向かう。


「‥告白するのは‥3日後かな‥さすがにすぐは心の準備が‥」


告白する、となると胸がうるさく高鳴る。
どのような言葉で告白しようか、
どこで告白しようかと考えているうちに
下駄箱へ着いていた。
下駄箱を開けて靴をとると靴の中からくしゃ、と音と感触がした。
なんだ？と取り出してみると1枚の紙。


「‥？ラブレター‥では無いな」


紙は4枚におられておりラブレターでは無い事は確定していた。
不思議に思いながらも紙を開き内容を見た
天才は‥



「‥‥っ！？！？」


思わず言葉を失ってその手紙を見る。
その手紙の内容は‥



















「俺 明日鈴音に告白するからな



勝利」