「っは！！」


目を覚ました天才は自室のベッドから
勢いよく起き上がった
息を切らせて、寝間着を汗びっしょりにして
息を整えると汗を拭った


「はぁ‥はぁ‥‥‥‥なんて悪夢だ‥」


ライバルと想い人が結ばれる夢だなんて‥
なんて夢見が悪いのであろうか、と
ため息をついてベッドからおりると水を
飲みにキッチンへ向かった。


「‥‥」


水を飲みながら夢の内容を思い返す。
夢の中では勝利と鈴音は想いあっており
両想いになっていた‥それがやけに
リアルで天才は不安とともに焦りの気持ちが出た。


「‥」


ライバルには彼女を渡したくない。
でも‥あの夢の鈴音の顔が忘れられなくて‥



「1度自分を殺そうとした相手をどうして彼女が愛すると思ったんだ？」



夢の中の言葉が嫌に自分に突きささる
確かにかつて自分は世直しマンに加担して
多くのヒーロー星の人達を殺してしまった‥
だからこそ今はヒーローとして罪を償っている、だが‥彼女を殺そうとしたという事実は消えない。


「…私は…本当に彼女にふさわしい男なのだろうか‥」


告白したい思いと本当に彼女に自分は相応しいのか
と言う不安が混ざって‥天才は唇を噛み締めて
ブルーな気持ちのまま支度をすると学校へ向かった。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


学校へつくと鈴音はまだいなかった。
そして教室はいつもとは違った‥いつもは
彼女といつも一緒に登校しているはずの
努力がもういたのだ、これには天才も目を丸くさせた


「‥努力？お前もう来ていたのか？鈴音と登校しているのに」
「ええ、少し‥」


努力は目線を少し外すと改めて天才に
目をやった。


「天才と話がしたくて」
「？私と‥」
「ええ‥少し屋上、いいですか？」
「ああ、構わないぞ」


頷くと努力の後に続いて天才は屋上へ向かった‥
ゆっくりと歩いて、階段を昇ってドアを開いて
屋上へ足を踏み入れると、努力は天才の方へ振り向いた