数日立ち‥天才は鈴音宅へ足を
早歩きで急がせていた、鈴音の
顔を思い出してまた頬が緩む。


「あっ、てんさーい！！」
「！！鈴音‥ぇ！？」


前から鈴音の声が聞こえて顔を上げた
天才は素っ頓狂な声が出た。
前には手を振る鈴音と‥さも当然
言うようにして隣に立っている勝利の姿
隣に立つライバルの姿に天才は驚いたと共に嫉妬心が湧いた。


「よぉ天才」
「勝利‥なぜお前が隣に」
「俺も鈴音に勉強教えてやろうと思ってよ？2人のが捗るだろ」
「勝利も一緒に教えてくれるって言ってくれてるの、どうかな？」
「‥‥〜い、いいとも」


純粋に3人で勉強したがっている鈴音に
嫌だともいえずに許可を出した天才。
明らかに態度が違う天才に勝利が気が付き
彼に近づくと小声で


「抜けがけはさせねぇぜ？」
「‥ふっ、お前も人が悪い‥」


バチバチと火花を散らしながら睨み合う
2人に気付かぬ鈴音は2人の袖を
引っ張り自宅を指さした。



「ね、暑いから早く入ろ？喧嘩しちゃダメだよ」
「‥おう、そうだなじゃあ邪魔すんぞ」



鈴音の言葉に一触即発状態から
元に戻って改めて鈴音宅にお邪魔することとなった。
鈴音が自宅のドアを開けて入り
勝利と天才は鈴音の後に続いて入る。


「ただいまー！」
「お邪魔します」
「邪魔します」


娘の他に2人の男の子の声が聞こえた
伊八代ママがパタパタと急ぎ足で
玄関へやってきた。


「はーい？あら生月くん！！と、鈴音ちゃんお隣のワイルドなイケメンくんは？」
「ども、磯野勝利っす」
「私のクラスメイトだよ、一緒にお勉強するの！」
「あらあら〜！うちの鈴音ちゃんにお勉強教えてくれるの？ありがとう！ならお茶の準備しなくっちゃね！」


伊八代ママは何やらにやにやしながら
キッチンへかけていき、その様子を見た
鈴音は不思議そうにしながらも階段を上る。


「？変なママ‥あ、2人ともこっちこっち〜」


来い来い、と手招きをした鈴音に
勝利と天才も階段をあがり彼女の部屋へ上がり込む
その様子を見た両親は小声で話し込んでいた。


「ねぇねぇパパ‥鈴音ちゃんてモテるのね〜‥！あんなイケメンくん2人も連れてくるなんて！」
「うーん‥まさか鈴音、あの中のどちらかが彼氏なんて言い出すんじゃ‥」


パパこと止郎は少し複雑そうな顔をしていた。