「後半もう泣いちゃったよー…目赤くなっちゃうかと思った」
「あんま擦るなよ？腫れるぞ」
「ありがとう勝利、あ！それとハンカチ…洗って返すね」
「気にすんな、どうせそれ安モンだからよ」


2人で歩く勝利と鈴音。
その後勝利と鈴音は店を見て周り気に入ったものがあったら買って…
そしてゲームセンターへ行ってクレーンゲームをしたりプリクラを取ったりして楽しんだ
昼食はフードコートでそれぞれハンバーガー、ラーメンを食べて夕暮れになると
勝利と鈴音はモールから出た。


「うーんー！今日は楽しかったよ！ありがとう勝利！また遊ぼーね！今度はみんな誘ってとかいいかも！」
「……今度は皆で、なぁ……おう」


今度はみんなで、と言うワードに
少しガックリとしたが鈴音が
楽しそうで、満足した様子だったので
良しとしよう、と勝利は鈴音の
頭を撫でてやった。


「…なぁ、鈴音…お前は」
「ん？」
「俺の事…どう思ってる」
「え？」


突然勝利が聞いてきた質問に鈴音は
目を丸くした。
勝利は真っ直ぐと真面目に見てきていたので
蔑ろにする訳にもいかず…頭に浮かぶ限りの言葉を、勝利に伝えた。


「…頼もしい仲間、と思ってるけど…なんで？」
「…そうか、なら良い、ありがとうな」
「うーうん！あ、もうそろそろ帰る？」
「そうだな、俺も土産を努力にやりてえから努力の所によってかなきゃ行けねぇから……ひとりで帰れるか？」
「うん大丈夫！今日はほんとにありがとうね！」
「おう」


勝利と鈴音は少し歩いて
モールが遠くで見える距離で別れた
鈴音は勝利の方に手を振りながら
自分の家の方へと歩いて行った、勝利も
小さく手を振り努力のいる公園へと歩いて行った…

そしてその様子を見ていた友情と天才、
友情は天才の方へ向かうと笑顔を浮かべながらも彼に聞いた。


「あ、私達もそろそろ解散しようか？ね！天才！兄さんも鈴音ちゃんも解散したし！」
「…………あぁ……………」
「……えっと、そんな思いつめないでね天才…なにかあったら相談するから電話してね！ね？私はそろそろ帰るから…」
「……あぁ、」



どこか沈んだ様子の天才を元気づけようと
笑顔で接するものの沈んだまま顔をあげようとしない様子の天才を気にする友情。
彼も帰路へ着くことにしたようだ


「うーん………ここからどうなっちゃうのか…」


顎に指を置きながらも友情は何度も振り向きながら友情も帰路へ着いた。
友情が帰っても天才はどこか沈んだままだった
嫉妬にヤキモチと暗い気持ち…色んな黒い感情が混ざっていて…後ろ向きになってしまう。


「…お似合い、か」


先程の、今日の勝利と鈴音の様子を思い出す。


「……胸の中がぐちゃぐちゃだ…」


顔を歪めて帰る訳でも無く重い足取りで
歩く。
こんなに暗い気持ちになった事なんてなくて…
ただのヤキモチでこんなに落ち込むなんて思ってもみなくて…
寧ろ、こんなに付き合ってもいない彼女に独占欲を抱いてしまって…申し訳なくて…




「…こんなに醜い感情を抱くなんて…」



自分の願い それは 鈴音に振り向いて貰うこと…でも今日の鈴音と勝利の様子を見ていると本当にお似合いだという雰囲気が出ていて…
自分よりも勝利の方が似合っているのではないか
自分よりも…彼の方が彼女を幸せにできるのでは無いか…

そう思うと勝手に悲しくなって…



「……はぁーーー…………」


大きく長いため息をついて上を見た、
既にオレンジ色に染まった夕焼け。


「…天才？」
「！」


ぼーっとまだ浮かない顔のまま空を見ていると、声をかけられた。



「やっぱり天才だ、偶然だね！」
「…鈴音？どうして」
「ハンカチ落としちゃって、後ろ向いたら天才がいたから声掛けたんだけど…なんか落ち込んでる？大丈夫？」


心配そうに顔をのぞきこんだ鈴音に
心配してくれているという嬉しさと共に
罪悪感が湧いて少し目を逸らした。


「…なんでもないんだ、少し考え込みすぎて…」
「…天才、屈んで」
「？なんで」
「いいから！」


何をする気だ、と思いつつも屈むと
頭に何やら暖かな感覚が。
鈴音に撫でられているという事が
わかった天才は顔を真っ赤にした


「あ、す、鈴音…！？」
「よしよし…大丈夫、大丈夫…リラックス…」


前を見るとふわり、と微笑んだ鈴音が優しい笑顔で自分の方を見て頭を撫でていて…天才のネガティブな気持ちはどこかへ無くなってしまったようだった、それよりも胸が高鳴りうるさくなった


「…私は天才より頭悪いけどさ、何かあったら頼って欲しいな…私達仲間じゃない」
「鈴音………あぁ、ありがとう…楽になったよ」
「役に立てたなら良かった」


笑顔をうかべる彼女にまた心奪われて…
また天才の心にはライバルに負けぬという
決意の炎と恋を実らせるという決意の炎があがった。
恋のバトルは…いつ終幕を迎えるのか？