日曜日のモール前、オブジェの前に立って
ケータイで時間を確認しながら勝利を待っていた。
淡いピンクのワンピースに黄色のカーディガン、ガーリーな服装をした鈴音にパーカーのフードを深く被った
天才は尾行しながらも見惚れていた…が
待っている相手が勝利だと思うとヤキモチを妬いた。



「鈴音…やはり鈴音にはあのような服装が似合う……しかし、勝利はまだのようだな」



辺りを見回してもまだ特徴的な赤い髪の
男はまだ現れない。
天才が隠れながら辺りを警戒していると 彼の隣に座り込んできた人がいた。
隣をみると、そこには深く帽子を被った友情の姿が。



「友情？お前どうしてここに…」
「やー！勝利兄さんが鼻歌歌いながらおめかししてるもんだがら何かと聞いてみたら
鈴音ちゃんとのデートだって言うじゃないか！だから気になって！」
「ふっ、お前も人が悪いな…ん？ということは勝利はもうすぐ…」
「うん、来るよー…あ、来た！」


友情が指さした先には革ジャンに白いシャツ、黒いズボンを履いた勝利がズボンのポケットに両手を突っ込みながら鈴音の元へ歩いてきていた
勝利を見つけた鈴音は彼に手を振る。



「勝利ー！！こっちだよー！！」
「よ、またせたな鈴音」


合流した鈴音は勝利の元へ駆け寄った
めかしこんだ鈴音の姿に勝利は
目を細めて頬を染める。


「遅いよ勝利ー！！でも映画始まる前に来てくれてよかったー！」
「悪ぃなちょっと寝坊した、お詫びに奢っからさ」
「え？ほんと？ラッキー！」
「んじゃ行くか、映画館に行ってチケット買えばもう始まんだろ？映画」



勝利は自然な雰囲気で鈴音の手を
取るとそのまま彼女を引っ張り歩き出した。



「楽しみー！ずっと気になってたから！」
「おう、そうだな」


「はっ！！中へはいる…！！行くぞ！！」 「はいはーい」



天才と友情も後に続き中へはいる。
嫉妬のオーラを漂わせながら後を追う
天才に友情は苦笑いを浮かべた。