追手内鈴音は今まで恋という物を
経験したことがない
それは彼女がモテないからでは無い、単に
鈴音が鈍感なだけであり…
彼女自身は中々モテる方だが鈍感な
方なので全く気づかずにそういうイベントへ
発展したことがないのだ…
だがこうしてみっちゃんやです代と恋バナをして
盛り上がっている辺り…恋へのあこがれはある様だが



「やっぱり生月くんって素敵よね〜…見とれちゃう」
「みっちゃん意外とミーハーよね、大切なのはハートよハート」
「あらでも生月くんみたいな綺麗な人に見つめられたらキュンと来ない？」
「アタシ顔は重要視してないから来ないわね」
「えー」


キャッキャと盛り上がるみっちゃんと
です代の話を聞きながら頷く鈴音に
みっちゃんが声を駈けた。


「そういえば鈴音ちゃんの好きなタイプって私聞いたことない！」
「あ、あたしも」
「えっ、私の好きなタイプ…？」


いきなり話をふられて咄嗟に好きなタイプを
考えるがあまり思いつかずに唸る鈴音。


「うーん…そういえば考えたことないや、好きになった人が好きなタイプなんじゃないのかな？」
「よくある解答ね〜…」
「まぁでも、自分を愛してくれる人がいいわよね！」
「うん、私を好きでいてくれる人がいいな…！」


そう照れながら頬をかき、将来
自分はどんな人と恋をするのだろうかと
思いを馳せるが、まだイメージがつかなかった。
そんな鈴音の事を見る男が1人、2人…


「……」
「…………」


1人は頬杖をかきながらも鈴音を見る勝利
そしてもう1人は…そんな勝利と鈴音とを遠くから交互に見る天才の2人だ


「(…何故だ、勝利が鈴音の事を見ているのを見ると…嫌な予感というか…なんというか、不安が…)」


自分が体型したこともない感情に
戸惑う天才
なぜ勝利が彼女を見ているのを見ると…
不安になってしまうのだろうか、
それは恋というものをしたことがなく
一人の女性を愛したことがこれが初めての
天才にとっては難解な問題だった



「…？」


そしてそんな2人の様子がおかしいことに気がついた友情は兄とクラスメイト兼友である天才とを交互に見ると何か察したのか口角を上げた。


「ははーんこれは…嵐が来るかな」
「？なんの事です兄さん」
「ん？あーいやなんでもないの！」