「番長グループが100人もいたとはな、ひとりで相手はキツかったぜ‥さすがに変身しようかと思ったもんな」
「き‥キミはもしかして‥」

「そうとも俺が転校生の磯野勝利だーーーっ！！！」


磯野勝利と名乗ったその転校生に
一番にこだわるその言動に‥またもや
正体はバレバレだった


「あ、あれってさぁ‥どう見ても」
「そ‥そのようですね、あれは‥」
「「勝利マン！！」」


その言葉にまたもや教室はざわめく
主に女子‥乙女の熱い溜息と声だったが‥


「ふっ…まいったな。どうやら女の子人気でも俺が一番らしい」
「に、兄さんその髪型はちょっと‥」
「バカヤローッ！！これくらいしねぇと女性ファンは着いてこねぇんだよ！！」


勝利は教卓に飛び乗ると高らかに叫んだ


「いいかお前らー!!この学校ではなんでも俺が一番だー!!文句ある奴は出てこい!!勝負してやるー!!」


文句ないし勝負なんて無理無理！！！と
男子生徒達は青い顔で勢いよく首を横に振った。


「そしてこのクラスは俺が居る限り、どんな大会もすべて優勝だーーっ!!!」
「キャーッ、ステキー!!!」
「それと先公！！俺の給食毎日トンカツな！！！」


それは無理だ、と思いつつもつい
頷いてしまった善良教師マンであった。
だって断ったら怖いもの


「では‥磯野くんの席は‥」


その瞬間睨みつけられてひっ、と声を上げた。


「い‥1番前の席ということで‥」
「それでいいんだよ」


教師用のでかい机を真ん前において
1番前を陣取る勝利に内心やりにくそうな
善良教師マンは汗を拭いた。


「で‥では授業を‥」

「ちょっと待った。転校生はもう一人いるぜ?」


その時また廊下から声が聞こえて
善良教師マンは頭が痛くなった


「え‥そ、そんな話は」


聞いてない、というその前に
カッ！！！が廊下から発射されてドアが消えた。
そして廊下から見えた金髪の髪‥


「‥ね、あれってもしかして」
「あ、悪夢だアイツには来て欲しくなかった‥！！」


ひょい、とその転校生が姿を現した。


「転校してきました、生月天才です」


その転校生‥生月天才の登場に沸き立つ女子達。


「キャーーーっ！！天才様よーーーっ！！！」

「あ、あいつは1発でわかる天才マンだ〜っ！！！」
「あいつもなんつー髪型だ‥」
「えぇっなんでぇ！？」


世直しマン戦の時お世話になったから
お礼がしたい会いたいなとは思ったが
こんな形で会うなんて、と鈴音は
驚いた。


「天才マン！！」
「ふっ、勝利マンお前がこのクラスにいることは分かっていたぜ天才だからな‥！」
「お前との勝負まだついてなかったっけな！」
「ふっ、この天才に勝てるかな？」


3人に、努力が歩み寄って小さな声で聞いた。


「あ‥あのどうして3人とも地球に？」
「なーに暫くは平和そうだから観光気分でね！」
「ヒーロー星も住める状態じゃねぇしな！」
「天才だからどの星に住むべきか分かっているさ‥それに」


ちらり、と鈴音に目線を移す。



「？」


首を傾げて軽く微笑む鈴音に天才は頬を染めて目線を自然に逸らした。


「(彼女に、鈴音にまだ私の想いを伝えていないからな‥彼女の事を手に入れに来たのさ‥なんて言えないな)」

「それに、なんです？」
「いやなんでもないこちらの話だ」

「……」


その様子を勝利がなにやら言いたげに見ていたが
すぐに目線を逸らした
彼は目線を逸らす際に鈴音の方を見ていたようにも見えた。

後から校長がやってきて
天才が転校してくる事になったことも
説明されていた善良教師マンは
少し胃が痛くなりながらも教科書を取りだした


「で‥ではそろそろ授業を始めようかな」
「ふっバカをいうなこの天才に何を教えるというのだ」
「で‥でも他の生徒が」

「や‥やめろーーーーっ！！！」


俯いて震えながら大人しくしていた
目立がいきなり勢いよく立ち上がり叫んだ。


「いい加減にしろもう沢山だーー！！！こ、これじゃあこの目立たがるが目立たねぇじゃねぇかァァァ！！それでも意地で俺が目立ってみせるけどな！！変身してやる歌ってやるーーー！！！」


泣きながら変身すると教卓の上によじ登って
歌い出したスーパースターマンに
先生に反論する天才に
俺が1番だと公言している勝利に
クラスメイトにアドレスを聞いてまわる友情に
天才と勝利にメロメロな女子達でもうめちゃくちゃだ。


「や‥やだぁめちゃくちゃになる予感がするよぉぉ‥」
「どうなるんでしょうね師匠‥」


頭を抱えた鈴音はまだこの時は知らなかった
ここから自分の恋が始まっていくことを

長い長い時間を寄り添っていく彼との
馴れ初めが、物語が‥ここから始まるということを！