「さらばだ、ラッキーマン!!」
「よ、世直しマン!?なぜ私を助ける!の!」
「お前との勝負…私の負けだ」
「えっ」



「私は今まで……自分が宇宙最強だと信じていた」



だがそれは違った
パンチも光線も避けられて大ダメージを
体に受けて腕も切り落とされて‥
彼女の運の前には叶わぬと、今知った
力だけではどうにもならぬと

それでも彼女は無傷だった、それは
鈴音のラッキーが1番だったから



「宇宙を統一する者は宇宙一強い者でなくてはならない…つまり、私にはその資格はないってことだ。その資格があるのはラッキーマン…お前だけだ!!!お前こそ宇宙一だ!!お前は生きろ!!!」
「そ、そんな世直しマン！！私に全て託して死んでいくというの!!!」


「いいかラッキーマン、約束を忘れるんじゃないぞ!!!」


「あ、あぁぁぁぁぁ‥！！」



鈴音の目の前でロケットが太陽の炎により燃えてゆく‥
世直しマンと共に‥！！


「よ、世直しマーーーーーーン！！！！！」

「ふっ、こんな私のために泣くというのか‥馬鹿野郎そんな泣き虫手間宇宙の平和が守れるか‥」


世直しマンはいつぶりかに心の底から
穏やかな笑顔をうかべ‥
体の血の涙も止まり、傷も消えた。



「(ラッキーマン、お前があの時もう居たら‥私の人生は変わっていたのだろうか、正義のヒーローのままで入れたのだろうか)」

「(‥まだ、超ちゃんと三ちゃんと友でいれたのだろうか)」

「(もっと‥もっと早く、お前に会いたかった！！！ラッキーマン！！)」


遠くで自分のために涙を流して自分を
呼ぶラッキーマンに、思いを馳せて
世直しマンはそのまま穏やかな笑みで、太陽に突っ込んで行った。




「よっちゃーーーーーーーん！！！！」




「ごめんよ‥何故、なぜお前たちを突き放すようなことをしたのだろうか」

「宇宙を頼んだぞ‥ヒーロー達‥‥さらばだ‥‥超ちゃん‥」








「っ！！！」


世直しマンが太陽に突っ込んだ時
会長は声が聞こえた気がして空を見た。
空を見れば、ロケットが太陽に突っ込み‥
消えるところであった


湧いてでたのは悪を倒した喜びではなく
友を失った悲しみ

宇宙の平和が戻った


鈴音の犠牲と共に‥


ロケットが太陽に突っ込んだのを見て‥
天才マンは膝をついて呆然と空を見ながら
涙を流した。
想い人が死んだ
ラッキーマンが死んだ

世直しマンと共に‥


「ラッキーマン‥‥」
「師匠‥師匠‥！！立派なヒーローの最後だとしても私は‥！！」



「あ‥ありがとう‥よっちゃん‥」



その時、鈴音は意識を失い
激吉化も解けて地球へ落っこちた
そしてその鈴音の姿は
地球にいる皆にも見えた。



「ん！？なにか落っこちてきてるぞ！！」
「ら‥ラッキーマンだ！！！」


「「何っ！？！？」」


手下のその言葉に悲しみに身を馳せていたヒーロー達が上を見ると
確かに、意識を失った鈴音が落っこちて来ていた。



「師匠ーーーっ！！さすがだ！！実力で奇跡の生還を！！！」


ドーン！！


「ふぎゃっ！！いったーい！！！」


鈴音はそのまま地面に一度激突すると、跳ね返ってみっちゃんの上に落下した。


「わっ、みっちゃんの上に！」
「う、う〜ん‥」
「えっ！？」


するとどうだろう…今まで固く閉じていたみっちゃんの瞼が開いたのだ!!
目を覚ましたみっちゃんは鈴音の姿を見ると眼をうるませた。


「ら‥ラッキー様！」
「みっちゃん！？どうして‥！」
「ラッキー様〜！！」
「みっちゃぁぁん！！」


親友が生きて帰った喜びのままみっちゃんを抱きしめる鈴音
抱き合う二人を見て医者は信じられないという顔をしていた。



「ラッキーマンがみっちゃんの上に落ちた衝撃で、止まっていた心臓が動き出した……きっと、心臓を動かすツボにぴったり落ちたのだ。ものすごいラッキーが起きたのだ」
「師匠ーーッ!!!あんたって人はなんてすごいんだー!!世直しマンをやっつけて無事帰って来ただけでもビックリしたのにみっちゃんまで生き返らせるとはすごすぎるー!!」

「っ！！」



努力マンのその言葉に鈴音は
ハッとした顔で勢いよく立ち上がると
太陽の方を見た


太陽にはもうロケットの形も影もなく…
世直しマンの死を改めて知り、鈴音は大粒の涙を零した
いきなりの鈴音の涙に皆は
驚き駆け寄る…