「(そ、そんな馬鹿な・・・・)」

「(ラッキー、死ぬかと思った・・・)」

「おおーっ！ラッキーマンローキックをお見舞いし、努力マンを倒したーっ！」

「(何故だ・・・・ただのラッキーで私のキックをかわせるはずがない！！まさかあいつ・・・・いや、まさかな。)
よ・・・よーし、こうなったら私の必殺技を出すしかないな。必殺！地獄車だーっ！！」


「えっ地獄車・・・・？」

「努力マンさん、地獄車とはどんな技なんでしょうか？」

「よくぞ聞いてくれました。これは私が必殺技一筋で80年かけて作り上げた技です。」


地獄車を習得するまでの努力を言いおえた鈴音はこう思った。

(ほんとにこれでできるのか？)

と。


「脳天を何百回も打ち付けるので、まず生きては帰れないでしょう。」

「えっ(私死んじゃうの！？)」

「いくぞーっ！！ラッキーマン！！」

「やー！？わかったわかった！私の負けでいいからー！」

「問答無用！」


努力マンは鈴音にしがみつき、地獄車を繰り出した。


「でたーっ、地獄車ー！！ものすごい早さだーっ！！
ん！？よく見れば・・・・回っているのは努力マンだけだー！」



努力マンの右手は複雑骨折で力が入っておらず、左手は鈴音が冷や汗かいていたせいで滑ってしまった。

一回は脳天をうつはずの鈴音はマンホールに落ちて助かっていた。



「あーっ！ラッキーマンは傷ひとつなく彼処にたっているー！一方努力マンは自分で作ったレンガのバリアに突っ込んだー！まぬけだー！」

「(ま・・・負けた・・・この技を意図も簡単にかわすとは・・・しかし・・・何故だ！？なぜそんなことができる！？)」

「(でも、努力マンはほんとに強いよ・・・地獄車もキックも受けたら死ぬ・・・・)やっぱり努力は大切だね。」

「(えっ！？努力！？)今努力と言ったなー！！」

「へっ！？うん。」



「お前も努力をしてたのか！でなければ私の技を簡単にかわせるはずがない！！そして全てをラッキーに見せてしまう…まさにあなたは白鳥だ～ッ！！」

「それに比べ私は努力を売り物にしていた・・・・そんな私が貴方に叶うはずがない！！私は恥ずかしい・・・ 」

「あはは、私そんな立派な人じゃないよ・・・・」

「ラッキーマン！いいえ、ラッキーマン師匠！！私を弟子にしてください！」

「へっ！？でもヒーローが二人もいちゃあ・・・」


そんな鈴音の心配は必要なかった。特別にヒーロー協会会長が許可してくれたのだ。

こうして、努力マンが仲間になった。