Live the life you love


時は過ぎ…
中3になった今、東卍はあの頃よりさらに大きくなっていた

数人しかいなかったメンバーも、今や数十人規模の大きな勢力の1つとして注目されている




オレは変わらず参謀をしているけど、東卍の集会にはほぼ参加していない

なぜかといえば、それはマイキーからのお願い(ワガママ)から始まった




マ『ハクはオレが出て、って言う時だけ集会に出て。それ以外は出ないで』



それを聞いた幹部メンバーとオレは、当然頭に?を浮かべた
そして理由を聞いたら



マ『ハクは誰が見ても可愛いんだ。そんなハクを、大勢の男どもの前に晒したくない』



それを聞いたメンバーは、またか…という感じでため息をつく
そう、完全にマイキーのワガママである
いやオレそんな可愛くないよ…?と言っても聞いてもらえなかった



そんなこんなで、どうやらオレは東卍の中で幻の参謀みたいに言われているらしい
まぁ確かに、東卍の隊員とすれ違っても、オレの顔を知らないからオレがその参謀だと気がつかないよね
気付くのは幹部メンバーだけだ

三ツ谷に作ってもらった特服も、あまり着る機会が無くなって少し寂しい






今日はふらっと街を散歩していた

そんな時、公園の広場で傷だらけの少年たちが倒れているのが見えた





「君たち、大丈夫…?」


タ「え…?(誰だ、この人…。めっちゃ綺麗な人だ…)」



オレは少年の一人、金髪の少年に話しかけた


「ちょっと待って。すぐ手当てするから」



オレはカバンから、常備している救急セットを取り出す


「痛いだろうけど、我慢してね」

タ「は、はい」



手際よく消毒し、薬を塗ってガーゼや絆創膏を貼っていく


「…この傷、どうしたの。誰かにやられた?」

タ「…えっと…はい…」

「誰にやられたの?」

タ「…東卍の、キヨマサって人とその仲間に」

「…東卍?」


キヨマサ…?
東卍にそんなやつがいるのか
オレが知らないってことは、下っぱ連中かな




オレは全員の傷の応急処置をした


「…よし、これでオッケーかな。それじゃ、オレはこれで。みんな気を付けて帰ってね」


タ「あ、あの!ありがとうございました!」



オレは手を振ってその場を去った
そして、すぐに携帯を取り出す




「……あ、ドラケン?ちょっと調べてほしいことがあるんだけど」







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「おはよう、千冬」

千「おはようございます、白夜さん」



オレが出てくるのを待っていた千冬
団地の階も同じなので、普段は一緒に学校に行っている
場地も同じ団地だが、いつ起きてくるかもわからないので放っている



「じゃ、行こっか」

千「はい!」



いつも思うけど、ほんと犬みたいだなぁ千冬って
かと思えば顔は猫っぽい可愛い顔してるし



千「そういや白夜さん、最近東卍内部の誰かのこと調べてるってホントっすか?」

「え?誰から聞いたの?」

千「場地さんです」


そりゃそうかぁ…


千「まぁ場地さんは、『放っとけ、白夜がなんとかする。』って言って関わろうとはしてなかったですけど」

「あはは…相変わらずだな、場地は」

千「その様子だと、ホントなんすね。謀反を犯してるやつがいるとかですか?」

「あー、謀反っていうか、東卍の意に反する行為をしてるみたいだからちょっとしめてやんなきゃと思ってさ」

千「オレ、何か手伝いましょうか?」

「ありがとう。でも大丈夫。ドラケンに話してあるから」

千「そうですか。白夜さん、何かあったら何でもするんで言ってくださいね!」

「うん、頼りにしてるよ、千冬」

千「はい!」


満面の笑みで千冬は返事をした














そして放課後、三ツ谷からメッセージが来ていた


三『白夜、良いもの作ったからオレの学校に寄ってくれ』


良いもの?
ってなんだろう…


不思議に思いながら、校門で待っていた千冬にも説明し、一緒に三ツ谷の学校へ


「えっと、確か…あ、ここだ」


家庭科室へ入ると三ツ谷が、やっと来たか。と手招きした
ちなみに三ツ谷は手芸部の部長だ


「三ツ谷、良いものってなに?」

三「あぁ、まずはこれを見てくれ」


三ツ谷が取り出したものは…



「………」

千「……これ」


目の前に置かれたそれ


「……三ツ谷、一応聞くけどこれって」

三「あ?見りゃ分かんだろ。猫の被り物だ」

「…まぁ、可愛いけど、これをオレに?」

三「そうだ」

「えっと…意図が分からんのだが」



なぜオレに猫の被り物を作ったんだ?




三「白夜さ、ほんとは東卍の集会出たいんだろ?マイキーに出るなって言われてるけどさ」

「え…まぁそりゃ出たいけど」

三「なら顔を隠せばいいんじゃね?」

「は?」

三「おまえの顔が可愛いから、マイキーは他の連中に取られちまうんじゃねぇかって思ってるんだよ。なら、顔隠しちまえば解決すんじゃねぇかと」

「なるほど、それで被り物?」

三「そうだ。ちなみに白夜は猫が好きそうだったから猫にした」

「…これを被れば集会に出られる」

三「ちなみにマイキーにはもう許可は取ってある。白夜が顔を隠すなら出てもいいそうだ」

「マジか!」



それなら集会に行けるし、特服も着れる!




千「…白夜さん、集会出たがったし、いいんじゃないすかね!」

「千冬がそう言うなら…。三ツ谷、ありがとう。これありがたく使わせてもらうね」

三「おう」













(猫の被り物かぁ。猫は好きだけど、まさか自分が猫になるとはね)
千(白夜さんなら何でも可愛いっすよ!)
(そんなことないよ。千冬のほうが可愛い)
千(かっ…!?いやいや…!白夜さんが一番可愛いんで!)
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