第17話


「…どうしよ、硝子さん…。オレが油断したから悟が…」

家「こればっかりはどうしようもない。自分を責めるな、白夜。五条なら大丈夫だろ」

「だといいんだけど…」




今、悟はベッドに横たわり眠っている
なぜこんな状況になったのかというと、簡単だ

昨晩悟とよろしくして足腰がやられてしまい、動きが鈍った隙に呪霊の呪いを受けそうになったのだが、それを悟が庇い、代わりに受けてしまったのだ




家「…で、昨日なんでヤったんだ。それが原因なんだろ?」

「…えっと…、最近ずっと忙しくて、そういうことやる暇もなくて…。悟が溜まりすぎてもう仕事したくないって言って…」

家「結局五条の自業自得ってことか。なら仕方ないな」

「…まぁその…溜まってたのはオレもで…。断らなかったオレの責任でもあるといいますか…」



ほんとに久しぶりにヤったから、抑えが効かなかったんだよね…


家「そもそも、五条には無限があるだろ。なんで呪い食らってるんだ…」

「それはですね…オレを庇おうとしてオレのことをとっさに抱き締めたから、無限張ってなくて……」


家「…なるほどそういうことか。まぁとりあえずだ。命に別状はなさそうだし、起きるまで様子見だな」

「はい…」


悟…大丈夫かな…




オレは、悟が目を覚ますまでずっとそばにいた



そして…




五「……ん、」


「…悟!?」




ゆっくりと目を開けた悟



五「あれ…僕寝てた…?」


「…悟…!良かった…目が覚めて…」



そばにいたオレを見る悟


五「…えっと、君、誰…?」



え…?

誰って…





家「…まさか」


硝子さんが考え始める



家「五条、私が誰か分かるか?」

五「は?硝子でしょ。」

「………」



硝子さんのことは分かるのに…何でオレのこと、、




家「五条、ほんとにその子が誰か分からないのか?」

五「悪いけど、知らない子だよ」




「……っ」




オレは、勝手に溢れそうな涙を誰にも見られたくなくて、部屋を飛び出した



家「白夜っ…!」




オレの名前を呼ぶ硝子さんの声


ごめん硝子さん…

今は…一人になりたい……










家「…はぁ。五条…」

五「…え、なに、どゆこと?」

家「いいか五条。お前はいま、あの子の記憶だけ失ってる状態だ。呪いによってな」

五「記憶を…?なんであの子だけ?」


家(…恐らくだが、『自分の一番大切な人の記憶を失う呪い』。たく、趣味の悪い呪いだ)



五「硝子?」


家「なんでもない。とにかく、五条はあの子を追いかけること。いいな?」


五「分かった…」






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「…分かってる、これはたぶん呪いのせいだ。悟は悪くない…分かってるのに……っ、なんでこんなに…」



涙が溢れてくるの…っ



拭いても拭いても溢れて止まらない





五「泣いてるの…?大丈夫?」



「え…?」





気付いたら隣に立っていた悟




「…っΣ!!?」



び、びっくりした……






五「ねぇ、名前、教えてよ」


「名前……、五条…白夜」

五「五条…?僕の親戚?」

「……まぁ、そうなるのかな…」

五「じー。ねぇ、その左目って、六眼だよね?不完全だけど」

「う、うん…」




ふむふむ。と考えるような仕草をする悟



五「僕と君って、ぶっちゃけどんな関係?」


「ふえっ!?」


五「いやさ、色々引っかかるっていうか。まずその指輪」


指輪……


五「それ、僕が左手の薬指にしてる指輪と一緒だよね。しかも、君も同じ左手の薬指にしてる。ただの親戚がするとは思えない。そして、僕はどうして指輪してるのかも覚えてない。ってことは、この指輪も君関係」


…さすが悟だ
そこまで瞬時に見抜くとは…



五「あと、そのネックレス。僕の呪力が込められてる。それを辿ってここまで来たわけだけど」


「…そうだよ、これは悟が呪力を込めたネックレス。悟はどう思うの?オレと悟の関係」


五「それがさ、どう見ても一つしか出てこないから悩んでるんだよね」


「……」


五「言っていいの?」


「…うん」


五「ずばり、恋人。かな」




まぁ、そうだよね




「…もしそうだとしても、今の悟は、オレのこと、知らないんでしょ?だから…」


五「だから?」



「…オレ、悟にもう一度好きになってもらえるまで、あきらめない」


五「それは、どうして?」


「…もし立場が逆だったとしても、悟はきっと同じことを言うと思うから。あとね、オレ」


五「…?」







「…悟のこと、大好きだから!悟以外なんて、考えられないから。オレのこと、何回忘れたって、何回でも好きになってもらえるように頑張る」




目に涙を溜めながら、そう言って笑った白夜を見て、五条悟は驚いたように目を見開いたあと、笑った



五「…!!ふふ、そっか。なんか、分かった気がするよ。僕が君と恋人になった理由が」
















五(とりあえず、涙拭きな。はい、ハンカチ。まぁ、100%僕のせいで泣いてただろうけど)
(あ…ありがとう…)
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