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Live the life you love


マ「は?引っ越し?」

「うん」


突然のことに、マイキーは思考停止した



マ「…それって、もう会えないとかじゃないよな?」

「大丈夫だよ。引っ越しって言ってもそんな遠くじゃないんだ。場地と同じ団地だし」

マ「…はぁ、良かったぁ…。東京離れるのかと思った…」

「驚かせてごめんね、マイキー」

マ「んーん、いいよ。それなら普通に会えるし」

「うん、そうだね。学校は変わっちゃうから、マイキーと一緒に学校行けなくなるのは寂しいけど」

マ「あ…そっか」

「オレは起こしに行けないから、ドラケンに起こしてもらって学校行ってね。サボっちゃダメだよ?」

マ「ん、分かった」

「よし。マイキー偉い」


そう言って頭を撫でてあげると、マイキーは嬉しそうに笑う
これは昔からの癖だ


マ「うちの道場、いつも通り来るだろ?」

「もちろん。鍛えないと鈍っちゃいそうだし」

マ「来たらオレの部屋も寄ってよ」

「うん、分かった」


マ「…なんでだろ。いつでも会えるのに、すげぇ寂しくてさ。すげぇ悲しい」


マイキーが今にも泣きそうな顔して、笑っている


「マイキー…」



オレはそっと、マイキーを抱き締めた


マ「……あったかいな」


「……大丈夫だよ。マイキーは一人じゃない。だから、何でも言ってよ。マイキーはいつも一人で背負っちゃう癖があるから。皆の前ではカッコいい姿でいい。けどオレの前では、カッコ悪いマイキーも見せてほしい」


マ「…ハクにこそカッコ悪い姿、見せたくないんだけど」


「だめ。ちゃんと見せて。マイキーのワガママきいてあげる代わりに、マイキーはオレのワガママをきいて。ね?」


マ「…分かった。ハクのワガママなら、仕方ないな」


「うん」





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引っ越してから、幾日か経つ
オレは団地の二階
場地は五階だったので、朝起こしに行っていたのだが、いつもの通りの寝坊で結局オレ1人で登校



「はぁ…場地のやつ、進級ヤバいんじゃないの…?大丈夫かな…」


場地のお母さんも心配してたし


オレはというと、無事新しい学校にも慣れて、普通に通えていた
周りのクラスメイトたちも気さくに話しかけてくれるから助かっている



そんな中、8月13日
事件は起きてしまった





それは、ドラケンからの電話で知らされた




「嘘…嘘だよね…?場地と一虎が…そんなこと、するわけ…」


ド『…本当だ』



ドラケンから聞いた事件の内容


場地と一虎が、マイキーの兄である真一郎くんのバイク店に不法侵入して、真一郎くんに怪我を負わせた

どうやら二人とも、その店が真一郎くんの店だとは知らなかったそうだ
そして、真一郎くんに怪我をさせたのは一虎だった


その後、時間も経たたないうちに真一郎くんは亡くなってしまった



「…真一郎くん…っ」



マイキーの家の道場に小さいころから通っていたオレは、真一郎くんに可愛がってもらっていた
そんな思い出が涙と一緒に溢れてきて、オレは訃報を聞いたその日、ずっと泣いていた

…そうだ
こんなところで泣いてる場合じゃない

一番辛いのはマイキーだ



オレは、無我夢中で走った
マイキーのところに














「…万次郎っ」


マ「……ハク…オレ、…」



オレはマイキーをぎゅっと抱きしめた



マ「……っ」


「……泣いていいんだよ、万次郎…。辛い時は、泣いていい…オレが、そばにいるから…っ」


マ「…うっ…、うぅ……!」












その後、真一郎くんをやったのは自分だと一虎は自供し、一緒に捕まっていた場地は少年院に入ることはなく釈放された


場地は、一生懸命マイキーに謝っていた
それを見てか、マイキーは場地を許した

だが、マイキーは真一郎くんを殺した一虎だけは、許せなかった









(…なんで、こんなことになっちまったのかな)
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