Live the life you love
「~♪」
外を歩いている時だった
何やら喧嘩をしているような声が聞こえた
オレはそっと、その様子を覗きこむ
そこには、喧嘩というより一方的なリンチにも等しい暴力行為が行われていた
どうみても年下の男の子一人が、年上の少年グループにやられている
「ねぇ君たち。年下相手に卑怯だと思わないの?しかも1人をこんな大勢でリンチとか、カッコ悪すぎて吐きそうなんだけど」
普段は穏やかで優しい白夜だが、こういう場面を見ると人が変わったように口が悪くなる
周りの仲間たちの中で、白夜を怒らせないようにしようという暗黙のルールがあるほどだ
「ああ!?ガキが首突っ込んでくんな…よ…って、こいつ、女か…?」
「へぇ、よく見りゃめっちゃ可愛いな」
「この際、女か男かなんて関係ねぇ。捕まえてからどうするか決めようぜ」
?「お、おい…!!逃げろ!」
やられていた男の子が叫んだ
「…平気だよ。こいつらに、オレが負けるはずないから」
?「え…」
一瞬だった
気付けばそこには横たわる少年たち
「ふぅ。君、大丈夫?ちょっと待ってて。オレ、救急セット持ってるから」
?「救急…セット…(持ち歩いてんのか…?)」
カバンから救急セットを取り出し、血が出ている場所を消毒していく
?「…いてっ」
「すぐ終わるから、もうちょい我慢して。よし、これで完璧!」
?「…あ、ありがとう」
「どういたしまして!それじゃ、オレ行くねー。お大事に」
?「あ…!」
白夜の姿はすでになかった
?「…名前、聞きそびれた。そして天使かと思った…。でもめっちゃ強かった…」
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ド「白夜、泥まみれじゃねぇか。ケンカでもしたのか?」
通りかかったドラケンにそう聞かれ
「え?あー、ちょっと準備運動をね」
ド(泥まみれになる準備運動ってなんだ…?)
別に喧嘩というほどのものでもない
オレにも譲れないものがある。ただそれだけのことだ
ド「白夜、これからいつもの喫茶店行くけど、暇なら来ねぇか?」
「行く!」
ドラケンと一緒に喫茶店へ入ると、すでにみんなが集合していた
マ「あれ、ハク、なんか汚れてるけど」
「あ、うん。準備運動」
マ「あー、そっか」
え、それで分かるのか!?と、そこにいたみんなが思っていた
マ「顔くらい拭いとけ。せっかくの美人が台無しだ」
そう言ってハンカチでオレの顔を拭いてくれるマイキー
「ありがとう。そういうマイキーこそ、口にチョコ付いてるよ」
マ「まじ?どこ?」
「ここ」
マ「分かんない。ハク、取ってー」
「しょうがないなぁ、マイキーは」
マイキーの頬を拭く白夜を、他のみんなが無言で見ていた
(((((マイキー絶対わざとだな…)))))
一「ねぇ、白夜はバイク持ってないんだよな。欲しくないの?」
「え、だってまだ中一だし。無免はさすがに…」
三「白夜ならそう言うと思った」
場「白夜はほんと真面目だよなー」
「え、普通でしょ…。お前らがおかしいんだって」
みんなといると、ほんと麻痺しそうだ…
「あ、ドラケン、オレにも一口パフェちょうだい」
パフェを食べているドラケンの隣に座る
ド「おー、別にいいけど」
「ありがとう!」
ドラケンの使っていたスプーンを受け取り、食べようとした瞬間
パクっ
「あ」
マ「ん。うまい」
オレの口に入るはずだったパフェは、マイキーの口の中へ
マ「ごめんハク。つい美味しそうだったから。はい、ハク食べていいよ」
「これドラケンのパフェなんだけどね。ありがと」
そしてようやくパフェを一口食べた
「ん!うまい!」
マ(いくらケンチンでも、ハクと間接キスはダメだよ)
ド(…マイキー。まぁいいや)
(ん~♪美味い。あ、二口も食べちゃった。ごめんドラケン…!)