Live the life you love
「してタケミチ。おまえに聞きたいことがある」
タ「は、はい」
現在オレは、退院したタケミチの部屋に来ている
「おまえとふたりっきりで、話したかったんだ」
タ「え、えっと…まさか告白とかじゃないっスよね?もしそうならオレ、マイキーくんに殺されるんで、やめてくださいね!?」
「は…?」
タ「え…?」
告白って…
「いや、違うけど。言ったでしょ、聞きたいことがあるって。てかもし告白だとして、何でマイキーに殺されるんだよ…さすがにないって」
タ「いえ…マイキーくんなら全然ありえます…白夜さん命みたいなとこありますから…」
「…まじか」
タ「まじです」
「……まぁ、タケミチに告白は無いから安心してよ」
タ「あ…はい…。なんかそうハッキリ言われるのも悲しいな…」
「お前告白されたいのかされたくないのかどっちだよ」
って、そんなことを言ってる場合ではない!!
「話が逸れたけど、タケミチ、おまえさ…」
タ「はい…」
「…未来を知ってるのか?」
タ「……!」
あらかさまに顔がひきつったな
「…タケミチ、おまえは何を知ってる?何を隠してる?」
タ「…白夜さんは、オレが変なこと言っても信じてくれますか。多分誰も信じてもらえないような話なんですけど」
「信じるよ。タケミチが嘘つくようなやつじゃないって、分かってるから。あんな姿見せられたら余計にね」
ボロボロになりながら、それでも引けないと言ってメビウスとの抗争を止めようとしていた
きっと、何かある。とオレは感じていたんだ
タ「…分かりました。白夜さんにだけ話します」
「うん、聞くよ」
そして、タケミチはポツリポツリと話し始めた
タ「…実はオレ、12年後の未来からタイムリープしてきたんス」
「…タイムリープ?ってことは、今のタケミチは14歳じゃなくて26歳ってこと?」
タ「そういうことっス」
「…なるほど、だから大人びて見えたのか…」
タ「え、なんか普通に信じてくれるんスね」
「当たり前でしょ。信じるって言ったし。それで、タケミチが必死になってたのは、未来を変えようとしてたからだよね?もしかして12年後は、良くない未来ってこと?」
タ「白夜さんほんと察しがいいっスね、さすが参謀…。えと、12年後の未来、東卍は極悪非道集団になってて、ヒナはそんな東卍に殺されるんス」
え…ヒナちゃんが東卍に…?
「…東卍が、極悪非道集団?なんでそんなことに…」
タ「オレが思うに、マイキーくんが変わってしまったからだと思うんスよ」
「マイキーが、変わってしまう?未来のオレは、一体何をしてんだ…」
タ「…あの、落ち着いて聞いてほしいんスけど」
「?」
タ「…未来に、白夜さんはいませんでした」
…それって、つまり
タ「…白夜さんも、ドラケンくんも、亡くなってたんです」
「………」
…オレ、死んでんのか
しかもドラケンまで。
タ「マイキーくんが変わってしまったのは、二人がいなくなってしまったからだと思うんスよ。だからオレは、二人が死なないように守りたいんです。そうすればマイキーくんは今と変わらずにいてくれるって」
「ちなみに、オレとドラケンがいつ死ぬのか分かってる?」
タ「未来で調べた時、今年の8月3日。東卍の内部抗争に巻き込まれて亡くなるって」
「内部抗争…か。タケミチ聞いた?今マイキーとドラケンが喧嘩してるって話」
タ「はい…エマちゃんから…」
「正直さ、マイキーとドラケンが喧嘩ってよくあることだから、ほっとけばいつかは仲直りするでしょって思ってたんだよ。けどタケミチの話聞いたら、ほっとくわけにもいかなくなったなって」
タ「え、二人の喧嘩ってよくあるんスか?」
「うん。でもいつの間にか仲直りしてるから…。でも今回は早めに仲直りさせたほうがいいな。いつ内部抗争になってもおかしくない。8月3日ってもうすぐだし」
タ「そうっスよね…でも、どうやって仲直りさせたらいいのか…。白夜さんなら仲直りさせられるんじゃ?」
「いや…それがそうでもないんだよね…。試みたんだけど無理だったし」
タ「え!?白夜さんでも無理なら一体誰が仲直りさせられるんだ…」
タケミチが悩んでる
「…オレとドラケンって、誰に殺されるんだろ」
タ「え?」
「いやさ、いくらマイキーと喧嘩してるからって、殺すほどってわけじゃないじゃん。それがマイキーとドラケンなら特にね。だからマイキーがドラケンを殺すことはまずない。そしてオレは、喧嘩に直接的には関わってない。ならどうしてオレとドラケンは死んじまうんだろ…」
タ「確かにそっすね…。裏で誰かが糸引いてると考えるのが一番しっくりくる気がします…」
「それ、この間も言ってたけど。糸を引いてる人物が、メビウスとの抗争を引き起こそうとしてる=ドラケンとオレを殺そうとしてる。ってこと?」
タ「はい…」
つか、それが誰か分からんことには、防げないよな…
タ「あ、そうだ。もうひとつ白夜さんに聞きたいことがあったんスけど」
「ん?」
タ「白夜さん、『稀咲鉄太』って人知ってますか?」
「稀咲鉄太…?いや、知らないけど」
タ「…そうっスか」
「え、なんなの?誰?」
タ「いや、実は未来の東卍で、ナンバー2になってる男なんス」
は…?
ナンバー2?
「どういうことだよ…そんな知らないやつが東卍のナンバー2って…」
タ「だから、マイキーくんと稀咲を出会わせないようにしなきゃいけないんスけど…」
「…それ、誰かも分からんのに難しくないか?ずっとマイキーの監視してるわけにもいかないし…」
タ「…やっぱそうっスよね……」
稀咲鉄太、か…
「注意はしておくよ。もしかしたら、そいつが東卍のトップ2狙ってドラケンやオレを殺そうとしてる、もしくは殺している可能性もあるからね」
タ「確かに…!あの、白夜さん!」
「ん?」
タ「絶対、死なないでくださいね」
タケミチの真剣な眼差しに、オレは改めて気を引き締める思いにかられた
「…もちろんだよ。オレは死なない。ドラケンも死なせない」
タ「…はい!」
(……今を変えなきゃ未来は変わらない)