Live the life you love
「よーしよし♪ペケJはお利口さんだね~」
「にゃあー♪」
オレは今、千冬の部屋で猫のペケJと遊んでいる
千「ずいぶん懐きましたね、ペケJ」
「へへ、頻繁に千冬の部屋に通ってる甲斐があったよ」
千「良かったな、ペケJ」
「にゃあ♪」
さすが千冬
めちゃくちゃ手懐けてる…
千「…あの、白夜さん」
「ん?」
千「…総長とは、その…どこまでいったんスか?」
「…えっと、どこまでとは?」
千「いや、だから…総長が、白夜さんは特別な存在って言ってたから。その…付き合ってんのかなって…」
「つ、付き合ってないよ!?そもそもオレ男だし!」
千冬は爆弾発言するね!!?
千「そう、なんスか?でも、男同士で恋愛してる人も世の中にはいるから、二人もそうなのかなって勝手に思ってました…」
「あー…まぁ、そうだね。男同士の恋愛自体はオレはいいと思う。そもそも恋愛は自由だからね。けどマイキーとは付き合ってないよ。…好き、とは言われたけど」
千「言われたんスか!!!じゃあもう付き合ってるみたいなもんじゃ…!」
「え?そうなの?…そういやキスはされたけど…オレ、恋愛とか疎くて分かんないから」
千「…キ、キス…!?」
「うん…けっこう前だけど」
千(…これは完全に、総長は白夜さんのことがそういう意味で好きってことだ。けど、白夜さんは違うのか…?)
「…うーん、オレ、よくわからないんだ。マイキーのこと。もちろん好きだけど、その好きは恋愛としてなのか、それとも人間としてなのか…」
千「…そう、なんですね。無理に決める必要はないんじゃないですか?総長もそのことに関しては何も聞いてこないんスよね?」
「うん。特に何も。オレから言うのを待ってるだけかもしれないけど」
千「じゃあ、オレは?オレのことは、どう思ってますか?」
「え?千冬のこと?好きだよ。千冬といると居心地いいし。ほら、集会の時さ、目を合わせてくれたでしょ?あれでオレ、緊張がほぐれたんだ。ほんと助かった」
千「それは良かったです。なんか、普通に嬉しいですね、そう言ってもらえるの」
「千冬がいてくれるだけでホッとするっていうのかな。安心感あるよね。ほらオレ、東卍の参謀って言っても、ちゃんと知ってるのって創設メンバー以外だと千冬だけだから」
千「そっか…そうですよね…。オレ、白夜さんのそばにいますから、安心してください!」
「うん、ありがとう!」
千冬がいてくれて良かった
心からそう思った
「そうだ。千冬、写真撮ろうよ!オレ、千冬とツーショットの写真持ってないからさ。部屋に飾りたい!」
千「オレも飾りたいです!撮りましょう!」
さっそく部屋からカメラを持ってきて、なんとか自撮りで頑張る
「千冬、もっと顔近づけて?」
千「こ、こうですか?」
「そうそう!」
千(は、白夜さんの顔がめちゃくちゃ近い…!心臓バクバク言ってる…!)
「撮るよー!」
パシャっ
「うん!いい感じじゃん!」
千「ホントだ、いいですね!(ふぅ…無事撮れて良かった…)」
「これ、現像したら千冬にも渡すね!」
千「ありがとうございます!」
あー、楽しいなぁ、この時間
ずっと続けばいいのに…なんて
あれ…?
オレの心臓こんなにうるさかったっけ…?
千「…白夜さん?どうかしました?顔、赤いですけど」
「へ!?あ、ううん、何でもない!」
あれ…?
どうしたんだろ、オレ…
千冬と一緒にいるの、今日が初めてでもないのに
なんでこんなにドキドキしてるんだろ…
「さ、さて。そろそろ戻るね。千冬、また」
千「はい、また!」
千冬の部屋を出て、オレは自分の部屋へ戻った
「……なんだったのかな」
なぜあんなに心臓がバクバクしてたのか、自分でもよく分からなかった
プルルル…
「ん?電話…。もしもし」
タ『あ!白夜さん?オレです、花垣武道です!』
「タケミチ?どうしたの?」
そういや教えてたっけ、電話番号
タ『あの!オレを白夜さんの付き人にしてもらえませんか!?』
は?
付き人?
「え、やだけど。なんで?」
タ『やだけど!?いや、その…ほら白夜さん可愛いから、変なやつに絡まれたりしそうじゃないスか!』
「あぁ、昔からそういうの慣れてるし、自分でなんとかできるから別に大丈夫。そもそもタケミチ、オレ守れるくらい強かったっけ?」
タ『あ…いや、その…はい…すみません…』
あれ、なんか可哀想な言い方してしまったかな
「気持ちは嬉しいよ、ありがとう。けど、オレに構うより彼女さんと一緒にいてあげなよ。そのほうが彼女さんも喜ぶと思うし」
タ『あ…はい…』
電話を終えて、オレは買い出しへ
「…ん?誰かオレをつけてる?」
先刻タケミチに言われたばかりだからか、妙に気になってしまった
だが、こういうのも割と前からあったので特別気にはしなかった
「ま、今のところちょっかいは出してこないし、放っておくか」
気にはせずオレは買い出しと、千冬と撮った写真の現像をしたのだった
(ふふ、またオレの宝物が増えた…!明日千冬にも写真渡そう)