Live the life you love
「おはよ、場地」
場「おう…」
あれから少しずつ、ギクシャクしていた空気が戻っていた
「それにしても、中学で留年はさ…」
場「分かってる…!さすがにおふくろ泣かせちまったのは悪いと思ってるし、ちゃんと学校行く…」
「で?その格好は一体…」
場地の格好は、THE真面目
長い髪の毛を後ろで縛り、真面目そうなメガネをかけている
場「勉強しないといけねぇのは分かってるんだが、内容が入ってこなくてよ。マイキーに相談したら、とりあえずメガネかけとけば頭良くなるって言われてな」
「………」
いや、なんでよりによってマイキーに相談したんだ
メガネかけるだけで頭よくなるなら、全員メガネかけとるわ!
おっと…ついツッコミたくなってしまった
「ま、まぁ、形から入るのもいいか…。 場地、一緒の学校なんだし、勉強はオレが教えるから何でも言って。おふくろさん、泣かせないためにもね」
場「白夜…。おう、助かる!ありがとう」
そんなこんなで、オレはよく場地の教室へ行くことが増えた
うん。今日もちゃんと勉強してるな
「場地ー、もうみんな帰ってるみたいだけど、まだ勉強してんの?」
場「いや、勉強っつーか…」
よく見れば、どうやら手紙を書いているらしい
漢字の意味や言葉を調べながら一生懸命書いていた
「…それ、もしかして一虎に…?」
場「…まぁな。あいつ1人に、背負わせちまったから…せめてな」
「…そっか。場地のそういうところ、オレ昔から好きだなー」
場「…、おまえ、よく平気な顔してそういうこと言えるよな」
「えー?だってほんとのことだし。それにしても慣れないなぁ、場地のその姿。ふふ…」
場「おまえ何笑ってんだ…」
「ごめんごめん」
場「んなことより、時間大丈夫か?今日は夕飯の買い出しでタイムセールだから早く帰るって言ってたろ」
「あ!やば!そうだった…。ごめん場地、先帰るわ!」
オレは慌てて教室を飛び出したのだった
?「………」
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松野千冬side
オレは松野千冬
入学早々、ヤンキーの先輩を締めてやった
廊下を歩けば、みんなオレに怯えて避けていく
この学校で一番強いのはオレ
あの二人に出会うまでは、そう思っていた
ある日、一年にダブりがいると聞いて、オレはそいつがいる教室へ顔を覗かせた
一年でダブるとか、どんなヤンキーだよ
デカイ顔をされる前に、オレはそいつを締めるつもりで来た
そいつの名前は場地圭介というらしい
千「…は?場地圭介って、あのガリ勉?」
見ればそいつはヤンキーというより、真反対の真面目な見た目のガリ勉だった
へんなメガネしてるし
千「…?もう1人いるのは誰だ…」
あのガリ勉メガネに話しかけている人物
そして見えた顔
千「なっ…!嘘だろ…。あの人は…!」
蘇る記憶
あれは…忘れもしない
千「あの時の天使…!!」
過去、あの人に助けられたことがあった
怪我の手当てまでしてくれた
名前すら聞けずにいたことを後悔していたのだが、まさかこんなところで会えるなんて
天使(仮)は、あのガリ勉と仲がいいのか、楽しそうに話している
だが、途中慌てて教室から出ていってしまった
気付いたらオレは、ガリ勉に声をかけていた
(セーフ!!タイムセールに間に合った!これで母さんに叱られずに済むな…)