第17話
(…いや、普通に一緒に寝てるけど。これはこれで拍子抜けなんだけど!!)
現在、オレは悟と一緒に寝ている
まだ悟の記憶は戻らない
なのに悟は何の抵抗もなく普通に、「寝よっか」と言って同じベッドに入った
意味が分からない
本当に意味が分からない
会って1日も経ってない人間と、同じベッドで寝れるか普通
あれ…そういや過去に行った時、高専時代の悟とも、会って1日も経ってないのに一緒に寝てたっけ…
……悟って、もともとそういう人間なのかな…←(違う)
結局オレは、悶々としながらも疲れていたのか、寝てしまった
五条悟side
ふと目を開けると、五条白夜と名乗った青年が寝ている
よほど疲れていたのか、頬をツンツンしても起きる気配はない
五「…この指輪、めっちゃ高いやつじゃん」
自分の左手薬指にはめている指輪を眺める
こんな高いものを、この青年が買うとは思えない
ってことは、やっぱりこれは僕が買ったものってことか
考えれば考えるほど、僕は彼のことを大切に思っているということが分かる
ちなみにスマホを見ても、僕からのラブコールやらメッセージがたくさんあった
五「…でも、分からないでもない。時々可愛い表情とか、喜怒哀楽がハッキリしてて見てて飽きないし」
一緒にいても、苦じゃない
むしろ…
五「…ていうか、この子と僕はどこまでの関係なんだろ。キス?まさかその先までやってたりする…?その場合僕はどうするべきなんだ…?」
素直に何もしないのがいいのか
それとも、彼がしてほしそうなことをしたらいいのか
五「何もしないのも可哀想だけど、無理してしてほしいことをするのも、逆にこの子が辛い思いをするよね…。難しいな」
誰かに相談してみるか…
家『は?どうしたらいいかって?そりゃ白夜のこと思い出すのが一番いいでしょ』
五「それが出来たら苦労しないって話をしてるんだけど」
家『あーまぁそうだな…嘘とか取り繕うのとかは止めたほうがいいな。白夜、そういうのすぐ気付くし、傷つくから。無理しないでまずは白夜のことを知ることからじゃないか?』
五「知ること…」
確かにまだこの子のこと、知らない
僕のことが好きってこととか、好きなものとか教えてくれたけど
人間性を知らない
五「分かった、ありがと硝子」
家『五条。言っておくが白夜のことを親身に思ってる人間はたくさんいる。下手に傷付けると色んな所から恨まれるから気を付けなよ』
五「…だろうね。めちゃくちゃいい子だし。気を付けるよ」
電話を切り、寝ている白夜のもとへ戻る
五「…寝顔、可愛いな。頬っぺたぷにぷにしてて気持ちいい…」
って、僕は何をしてるんだ
なんかもう寝れなくなったし、とりあえず以前僕はこの子とどんな会話をしていたかスマホに残っている過去のメッセージを見ることにした
五「…え、発信履歴ほぼ僕からって…。まじか」
白夜からの着信履歴は数えるほどしかなく、五条悟から白夜への発信がほとんどだった
五「どんだけ電話かけてんの僕。えっとメッセージは…」
開いてフリーズ
五「…なんとなく想像はしてたけど、これは…」
~過去のメッセージ抜粋~
五:白夜おはよー!もう起きてるかな?
白:おはよ。今起きた。
五:あ、起こしちゃった!?ごめんね(´。・д人)゙
白:ううん、大丈夫。出張先はどう?
五:白夜がいないから寂しすぎて辛い!!!!
白:なら早く任務終わらせて帰ってきて。寂しいのは悟だけじゃないからね?
五:よし。秒で終わらせるから待ってて
白:はいはい笑
五:帰ったらいっぱいイチャイチャするからね!!!ご褒美ちょうだいね!!?
白:分かったから早く終わらせてきなよ
五:行ってくるーー!!!
白夜、好き。
白:気を付けてね。
…オレも。
~終了~
五「…僕からの愛がすごいな。こんなに好きになれる相手が僕にもいたのか」
生まれた時から特別扱いを受けてきた
ゆえに、僕に話しかけてくる人間はほぼ下心があって、本当の僕を見てくれる人間はそうそういなかった
まぁ、高専で出会った同級生二人はそういう奴らとは違ったんだけど
本当の僕のことを、見てくれている
この子は僕を特別扱いしない
ただの、五条悟を、好きでいてくれている
それが、痛いほど伝わってくる
五「そりゃ、好きになるはずだよね…。GPS付きのネックレスあげたり、指輪あげたり」
五(僕、幸せ者だったんだなぁ)