第15話


あれから。
任務を終わらせた後、悟が言っていた通り、五条家へ行くことになった



「えと…悟、この着物は…」

五「あぁ、本家に行く時はこの格好なのよ。堅苦しいけど我慢してね」

「…そうなんだ、分かった」



オレは普段絶対に着ないような着物を着せられ、悟も普段の真っ黒い服とは違って格式高い着物を着こなし、まさに当主としてふさわしい雰囲気を出していた





伊地知さんに運転してもらい、五条家の前で止まってもらった



五「さ、白夜、行くよ」

「う、うん」




やはり緊張してしまう

悟にもそれが伝わったのか、そっと抱き締められた



「あ…」


五「大丈夫だよ。僕がいるから」


「…うん、」




あぁ…なんて安心感なんだろう
すごく、落ち着く



五「落ち着いた?」

「…うん、ありがとう」

五「よし、じゃあ行こうか」





車から降りると、五条家の門には数人のお出迎えが






「おかえりなさいませ、悟様」


五「出迎えはいらないっていつも言ってるのに。おいで、白夜」

「うん…!」



す、すごい…
悟って、ホントに五条家の当主なんだ…



なんだか、すごく見られてる…
やっぱり誰だよあいつ、みたいな感じに思われてるのかな



五「事前に連絡した通り、みんな集まってる?」

「はい。広間で皆様お待ちです」

五「そ」



…なにかあるのかな



とりあえず悟の後を着いていく
それにしてもさすが御三家の一つだ
広い…!




五「白夜」

「…?」

五「僕が呼んだら入ってきてくれる?それまでここで待ってて」

「…うん、分かった…」




何が始まるのか全く分からないけど
悟に任せておけば大丈夫だよね



そして悟は広間の中へ入っていった

オレはそっと耳をすませた




五「今日集まってもらったのは、次期当主についてだ」


次期当主…?
悟の次の当主てこと?


悟の発言で、息を飲む五条家の重鎮たち



五「僕が元気なうちに決めときたくてね。勝手に決められても困るし。ってことで、次期当主は…」


シーンと静まり返る






五「五条白夜とする」





………は?

いま、なんて言った…?





「あ、あの…悟様。その、五条白夜とは誰のことでしょうか…そのような者は聞いたこともないのですが」




五「白夜ー、入っておいで」

「…!!」




呼ばれたので、オレはそっと広間へ入った

オレに集中する視線に、つい目をそらした




五「この子が五条白夜。ほら、僕に似てるでしょ?」


「た、たしかに似てはおられますが、五条の血筋でもない者に当主を任せるというのは問題が…」


五「は?白夜はれっきとした五条の血筋だよ。ほら、これDNA鑑定の結果。僕と白夜が従弟だっていう証拠」



DNA鑑定って、いつの間にしてたの!?



「…しかし、これだけでは認められない!改ざんされている可能性も…」


頑なに真実を認めたがらない重鎮たちに、悟はチッと舌打ちをして、オレを引き寄せた


「悟っ…!?」

五「ならこれはどうかな」


悟はオレの眼帯を外した
オレの目を見たみんなは、分かりやすく動揺した


五「さすがに五条家の人間なら分かるよな?この目が何なのか」

「そ、その目は…六眼…!!」

五「そう。六眼は五条家に伝わるものだ。この六眼が白夜の目にあるってことは、そういうこと。理解した?」



オレの六眼を目にした重鎮たちは、さすがに認めざるを得ないといった表情をしていた



五「あー、それと。白夜は僕が直々に修行つけてるから、めっちゃ強いよ。この中で白夜に勝てるやつは僕以外いない。そういう意味でも、次期当主にふさわしいと思うんだけど、どうかな?」


「…何も、反論はありません。悟様に従います…」



五「他の人たちも同じってことでいいのかな?そんじゃ、次期当主は白夜ってことで。あ、そうそう。白夜の親が誰かとか調べて罰したりしたら許さないから。きっと白夜がそれを望まない。だよね?」


「…!うん…」


五「そんじゃ、そゆことでー。白夜、行こうか」


「…うん」





















(…悟、すごかったな。やっぱり、当主なんだって、改めて思った)
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