第15話


今回は出張で、少し遠くまで来たのだが



五「すみません。スイートルーム空いてます?」


ホテルに泊まるため、フロントに話しかけた悟
だが、今なんて言った?
スイート…?


「あああの!!普通の部屋でいいので、一部屋ダブルでお願いしますっ!!!」


受付「か、かしこまりました」



五「えー?せっかく泊まるなら広い部屋のほうがいいじゃん」

「何言ってんの。ホテル代だって経費なんだよ?悟の金銭感覚で泊まろうとしちゃダメだよ!」

五「僕が出すよ?」

「ダメ、お金は大事にしなきゃ!ホテルは普通の部屋で十分だから!」

五「…白夜がそう言うなら(…ま、いっか。どうせ僕のお金は白夜のお金みたいなもんだし)」

「よし。ほら、カギもらったから行くよ」





部屋につくと、思っていたより広くて


「おお、いいじゃん!」

五「そういや、ダブルなんだね。ツインもあったのに」

「そ、それは…!今さらベッド別々に寝るとかありえないっていうか…いつも、一緒に寝てるから…」

五「僕無しじゃ寝れなくなった?」

「…っ、もう、そういうことにしといてあげる」











二人はシャワーを浴びたあと、仲良くベッドに寝ていた

悟が、したい。とねだってきたが、明日も任務があるためお断りした
少し拗ねていた悟だが、ねぇ白夜。と落ち着いたトーンで話しかけてきた




五「…気になってたことがあるんだけど」

「ん?何?」

五「白夜はさ。特級二体と一級八体を、どうやって祓ったの?」

「…え、なんで」

五「いや、もしかして…って思ってることがあるんだけど言ってもいい?」

「…うん」

五「…白夜、領域展開できるよね?それで祓ったんじゃない?」

「………」

五「その様子だと、そうなんだね。どうして領域展開できること、誰にも言わなかったのかな」

「…言っても、そんな使い所ないから。オレが一人の時じゃなきゃ使えない。周りを巻き込めば確実に死ぬ。一人の時に使うんだから、言う必要ないでしょ」

五「そんな寂しいこと言わないでよ。最低限僕には言ってくれてもよくない?」

「それは…ごめん。言うタイミング無くて」

五「そっか。呪術師は領域展開できるかできないかで大きく変わってくるからさ。一応確認したかったんだ。白夜を責めるつもりはないから」

「うん…。でも、あの時に初めて使ったっていうか、どうせ死ぬなら全力出してやろうって気持ちで領域展開したらできちゃったみたいな感じなんだ」

五「なるほどね…。大技ってのはそういうもんだよ」

「…できることなら、使いたくはないけど」


消耗激しいし…



五「ちなみに一応聞くけど、どういう感じの領域なのかな」


「オレの領域展開は、『地獄絵図』」


五「うわぁ…いかにもやばそうな領域だねー」


「友達になった呪霊たちが、その領域の中だけ全員出てこられるんだ。そして、オレの敵と認識した瞬間一斉に攻撃する。オレの領域に入ると呪霊皆の呪力に圧倒されて動けなくなるから、避けるのは不可能。攻撃が当たれば確実に…って感じかな」


五「…わぁ。確かに地獄絵図だ…」


「ただし、オレの呪力もかなり持っていかれるから、やりたくないんだけどね」


五「なるほどねー。聞いといてあれだけど、今の白夜に領域展開はリスクが大きすぎるから、今まで通りマジで死ぬかもって時だけ使うようにね。まぁ、そうさせないために僕がいるんだけど。領域展開がもっと楽に使えるように、呪力量を増やす訓練も追加しようか」


「…うん、分かった」


確かに、呪力が増えれば領域展開も使いやすくなる






五「あ、そうだ。話は変わるけど、いいかな?」

「うん?」


五「次の任務が終わったら、五条の本家に行くから心づもりしといてね」



………。



「…え?五条の本家?誰が行くって?」

五「白夜がだよ。白夜も五条の人間だからね。挨拶しとかないと」

「…それは絶対ですか」

五「あれ、行きたくないの?」

「いや、そりゃそうでしょ。お前誰だよ的な視線を送られるのがオチだし!」

五「僕がちゃんと説明するから大丈夫でしょ。それに、五条の人間たちに白夜のことを認知させる必要があるしね」

「…どゆこと?」


何で認知させる必要があるんだ…?
今まで通り、ひっそり悟と暮らしていくのはダメなのかな



五「それは後からのお楽しみってことで!」


「…悟が一緒にいてくれるなら、頑張って行く…」


五「もちろん一緒だよ。白夜は流れに身をまかせてくれれば大丈夫だから」


「うん…」











(…五条家かぁ。)
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