第14話
家「これは典型的なストーカーだ。五条、まだ任務終われそうにないのか?」
五『犯人の呪詛師の居所が掴めなくてな…巧妙に隠れてる』
家「…白夜、かなり辛そうだよ。今も気持ち悪さと吐き気が酷くてお前に連絡すら出来ない状態だ」
五『…写真が送られてきたって言ってたけど、どんな写真?』
家「普通に隠し撮りだよ。主に外で白夜が歩いてるところとか、買い物途中のとか。あとは着替え途中の写真」
五『…どうしよ硝子。キレそう』
家「いやもうキレてるわその声で」
五『…すぐ終わらせて帰る。その間白夜を頼んだ』
家「頼むって言ったって、白夜にも任務が来てるんだけど」
五『…は?』
家「無理だって言ったけど、上の連中聞きやしない」
五『白夜1人で任務?』
家「あぁ。いつも通りな」
五『白夜は何て言ってるの』
家「呪いで困ってる人がいるなら行くって」
五『まぁそう言うだろうな。白夜は優しい子だから』
吐き気はだいぶおさまってきた
硝子さんがくれた薬のおかげだな
「はぁ…オレ、何でこんな目に合ってんだろ」
家「白夜、落ち着いたようだな」
「硝子さん…あの、悟は?」
家「手こずってるらしい」
「…そっか。オレ、任務行ってくるね」
家「本当に1人で大丈夫か?誰でもいいから高専関係者を連れて行かせても…」
「大丈夫だよ。それに、オレの攻撃で巻き込んじゃったら大変だし」
家「…白夜。呪いや呪詛師とパンピーは違う。お前が特級呪術師だろうと、関係ない。それを忘れるな」
「それはオレが一番分かってるよ」
前に施設の男と会った時、オレの体はびっくりするほど動かなかった
恐怖で埋め尽くされ、体が固まってしまったんだ
それを、見に染みて感じている
きっとまた、ストーカー男を前にしたら、体は恐怖で動かなくなるだろう
「…それでも、任務を断っていい理由にはならない。呪いによって命の危険が迫ってる人がいることのほうが優先だ。それこそ、オレは特級呪術師なんだから」
怖いなんて、言ってる場合じゃない
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「モグラくん、お疲れ様。手伝ってくれてありがとね」
モ「気にするな。怪我した人間は?」
「救急車で運んでもらってる」
モ「そっか。白夜、顔色悪いけど、大丈夫か?疲れた?」
「え?あ、ううん。疲れてないよ!ちょっと、不安なだけ」
モグラくんに見透かされてるなぁ…
モ「…例のストーカー野郎か?」
「モグラくん、聞いてたの!?」
モ「そりゃ紙の中にいても、外の会話は聞こえるし」
「…そうなんだ」
モ「大丈夫だよ。白夜に何かしようとしたら、オレがそいつを…」
「それはダメだよっ!!!」
モ「…っ!」
「相手が呪詛師ならいいけど、相手は普通の人間だから。モグラくんが攻撃しちゃったらそれこそオレたちが呪詛師になっちゃう…!絶対に呪ったらダメだよ!」
モ「うっ…分かった…。でも、どうしたらいいんだよ。どうやって白夜を守ればいいんだ…。オレたち呪霊は、相手が普通の人間だったら、白夜を守れないのか…?」
「モグラくん…」
モ「悔しいよ…、そんなの…」
何も、いい返せなかった
とりあえず、急いで高専に帰ろうとしていた時だった
突然後ろから腕を掴まれた
「…っ!!」
「やっと見てくれたね、白夜くん」
…だれ、この人
知らない人だ…
「白夜くんの腕、細いね。肌も白くて綺麗だ…」
気持ち悪い…!
「すいません…っ、離してください…!」
「えー?せっかく白夜くんと話せると思ったのに、もう行っちゃうのやだなぁ」
「オレ…、急いでるので…っ」
「そんなこと言わずにさぁ。僕はさ、君に一目惚れしたんだ。君でなら僕イけちゃうだ…。ほんとだよ?その証拠に僕の精液送ったんだ。それに写真も送ったでしょ?僕はいつだって君を見てるよ。大好きな君を…」
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い…!!!
それなのに、恐怖で腕を振り払えない
嫌だ…怖い…!!
「あれ、泣いてるの?泣いてる君も可愛いね」
「…お願いですから、もうオレに付きまとうの止めてください」
「じゃあ僕のお願い聞いてくれる?」
「…なんですか」
「僕とセックスして」
は…?
「…なに、言って……」
「君はさぞかし妖艶で可愛い声を出すんだろうなって想像するだけで勃起しちゃって」
「…っ!!」
男の言った通り、あそこが大きく膨らんでいる
「ね?こんなに君のことが好きなんだ。少しくらいヤらせてくれてもいいでしょ?」
やだ…嫌だ…!!
五「おい、お前。その汚い手を離せ。俺の白夜に触れるな」
そこには、数日ぶりに見る、悟の姿だった
(…悟、来て、くれたんだ)