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第14話


「今日のご飯は何がいいかなー」


オレはいつも通り、一人で買い物に出掛けていた

「デザートも買ってあげよ♪今日は早く帰ってくるって言ってたし」


悟の顔を思い浮かべては顔が緩むオレ



無事に買い物を終えて、オレは家路を歩いていた

その時、後ろから聞こえてくる足音


「………」


なんだろ、なんか嫌な感じだ…


その足音はずっと続いていた


「どうしよ…怖い…気のせいなのかな」


白夜は特級呪術師だが、それは呪いに対しての強さだ

パンピーに対しての対応は一切教えられていない
必要ないと思っていたからだ

それに、昔からの心の傷となっている暴力への恐怖心も一生残り続けている

その恐怖心がいま蘇り、オレは怖くて走り出した

だが、足音も同じように走ってきた



「…やっぱり気のせいじゃないっ…オレについて来てる…っ」


これって、ストーカー…!?



「…もうすぐ家だっ…それまで何とかっ、」



オレは駆け込むように家へと入り込んだ

ドアはもちろんオートロックなので、追いかけてきた相手は入ってこれない



「はぁ…はぁ…」


普段、このくらい走っただけでは息が切れることはないのだが、精神的恐怖が勝り、息が切れていた


ひとまず水を飲み、落ち着いてから夕食の準備


「悟が疲れて帰ってくるんだから、ちゃんと準備しないと…」


そう言い聞かせても、先程のことが頭に残り、なかなか料理が進まなかった






五「ただいまー」



シーン…



五(あれ…?いつもならすぐに玄関まで来て、『おかえり』って言ってくれるのに)


五条は不思議に思いながら、リビングへと向かう


そこにはキッチンで料理を作る白夜の姿があった


五「なんだ、いるじゃん。お迎えがないからいないのかと思ったよ」

「………」


だが、白夜は五条の言葉にも反応しない


五「白夜…?おーい、白夜ってばー」

「へっ…!?あ…悟…!おかえり…」


ようやく反応した白夜


五「どうかした?なんか変だけど」

「えっ!?いや、なんでもな…痛っ…!」

五「ちょ…指切ったの!?」

「大丈夫だよこれくらい。ごめんね、すぐご飯用意するから」

五「ちょっと手貸して」

「え、悟!?」


悟はオレの手を取り、切った指を口へと含んだ


「さ、悟…!!汚いよ…!」

五「汚くない。ちゃんと消毒しとかないと」

「…うん」



そのあと悟に手当てしてもらって…


五「それで。何かあった?」

「え、何かって…?」

五「それを聞いてるんだけど。帰ってからずっと様子おかしいから」

「……でも、たいしたことないから」

五「たいしたことないなら、こんなに白夜がおかしくなったりしない。いいから言って」


悟の強い眼差しに、オレは白状した

ほんとは、迷惑かけたくないから言いたくなかったんだけど



五「ストーカー!?」

「…うん」

五「たいしたことおおありだわ!!そういうことはすぐ相談しなさいっ!」

「うっ…すみません…でも、別に被害を加えられたわけじゃないし…追いかけられただけだから…」

五「そういう問題じゃないから!」

「…はぃ」

五「あー、どうしようかな。白夜に護衛つけるにしても、強いやつじゃないと安心できないしな…僕が1日中そばにいてあげられたらいいんだけど」

「オレ、悟に迷惑かけたくなくて言いたくなかったんだ。だから…」

五「たく…僕は白夜の恋人なんだよ?大事な恋人がストーカーされて怖がってるのに、迷惑とかありえないから」

「悟…」


五(白夜に、ストーカーなんて自分でやっつけろ。とは言えない。白夜には、子供のころに染み付いた恐怖心がある。それが邪魔をして、自分では対処できなくなってるんだ)


五「とりあえず、明日の朝は一緒に高専行って、そこでどうするか考えようか」

「…分かった」






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悠「先輩がストーカー被害…!?大丈夫なん!?」

「今のところは…」

五「でも僕としては心配なんだよね。かと言ってずっとそばにいられるわけじゃないし」

恵「五条先生、忙しいですからね」

「いまこうしてる間にも、伊地知さんが待ってるから行ってあげなよ悟」

五「えー、伊地知ぐらい待たせとけばいいよー」

野「いや可哀想だから」

「ほら、早く行ってきて」

五「はーい…白夜!絶対一人行動しないこと!悠仁、恵、野薔薇。白夜のこと、頼んだ」

悠「まかせろっ!」

恵「白夜は俺たちが一緒にいるんで安心してください」

野「白夜先輩には指一本触れさせないから」




五「いやぁ、ほんと僕の生徒は頼もしいなぁ」


ほんとにね…!
めちゃくちゃ安心感ある

こうして悟は任務へと向かった


悠「それにしても、ストーカーって怖ぇよな」

恵「そうだな。どんな相手かも分からないうえに、どこに潜んでいるかも分からないからな」

野「マジでキモいわ…いくら白夜先輩が可愛いからって」

「みんな、ごめんね。また迷惑かけちゃって」

悠「何言ってんの、先輩!俺ら全然迷惑とか思ってないからね!」


恵と野薔薇も頷く


「…ありがとう」





こうして一年生と一緒にいたときだ



「白夜さん、いらっしゃいますか?」

高専の関係者の人が突然訪ねてきた


「はい、何か?」

「実は、白夜さん宛てに荷物が届きまして」

「荷物…?」


オレはそれを受けとる

誰からだろう…と送った相手の所を確認するが、何も書いてなかった


「…なんで家じゃなくて高専に届いたんだろう。普通オレ個人宛てなら家に届けるよな?」

恵「…白夜、それ、ちょっと怪しくないか?」

「…うん、なんとなくだけどそんな気がする」

悠「先輩、それ、念のため俺たちが開けていい?」

「いいけど…」



オレは少し離れたところで様子を見守る


恵「よし、開けるぞ」


そっと荷物の中を確認する三人


悠「…なんだ?これ…」

野「白い…液体?」

恵「…まさか」


そこには、ビンの入れ物の中に白い液体
それから…


悠「…これ、メッセージカードだよな?どれどれ…『愛しの白夜くんへ。僕の気持ちです、受け取ってください』」

恵「…五条先生か?」

悠「いや、それはねぇって。五条先生はこんな遠回しなやり方しねぇもん。いつだって直球だもん」

恵「分かってる、冗談だ」

野「っていうか、愛しの白夜くんって…気持ち悪…」



オレの中に、嫌な予感がうずまく


野「それにこの液体?なんなの?」


野薔薇がパカッと蓋をあけた


野「…なに、この匂い……」

恵「…これ…っ、おい釘崎、それをすぐに置け!」

野「…え?分かった…」


野薔薇は恵の忠告に従い、すぐに手からビンを離した



悠「…伏黒。なんとなくだけど、中身の正体分かったかもしんねぇ」

恵「…あぁ、おそらく当たりだ」

「え?それ、なんなの?」



二人が顔を歪ませながら、言った



悠「…おそらく、精液だと思う」

恵「…あぁ。同意見だ」


「え…っ、精…液……」













野(マジ…!?気持ち悪すぎて…手、洗お…)
悠(これはさすがにやばい気がするんだけど)
恵(あぁ、急に過激になってきてる)
(………)
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