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第11話


あれから何時間ほど寝たのか分からないけど
ふと目が覚めると、そこはオレと悟の家だった



「…あれ、またいつの間にか移動してる」



今日そういうの多いな…



五「あ、白夜起きた?おはよ」


「…悟。おはよう…」



オレの独り言が聞こえたのか、悟がひょこっと現れた


五「んー、熱は…」

「ちょっ…悟!?」



急に悟の顔が近付いてきて、思わずドキッとしてしまった

か、顔が熱い…!



悟は自分のおでことオレのおでこをくっつけ、熱を計っていた



五「…なんか、だんだん熱くなってきてるんだけど」

「…それは悟のせいだから」

五「え?まじ?」

「…不覚にもドキッとしてしまいました」

五「可愛いなぁ」

「か、可愛くないっ」

五「ふふ。うん、熱はだいぶ下がってるね。39度って聞いた時は驚いたよ」

「悠仁たちから聞いたの?」

五「うん、まぁそんなとこ。(正確には悠仁からのメッセージで、だけど)」

「やっぱり寝るって大事だね…身体が軽くなった気がする」


疲れが取れた感じ?



五「それは良かった。一年ズも心配してたからね」

「あ…そういや普通に寝ちゃってた…明日お礼言っとこ」

五「そうだね。あ、白夜」

「ん?」

五「これ」


悟の手にあるもの、それは



「…あ」


五「僕の人形抱えて寝てた姿がほんと可愛かった…」


悟人形…


「っていうかいつも見てるでしょ…オレが人形抱えて寝てるとこ」

五「えー?そうだけど何度見ても可愛いものは可愛いんだよ」

「…悟がいない時、人形無しじゃ寝れないって知ってたからその人形入れてくれてたんだよね。悟なら入れてるだろうなとは思ってたけど」

五「ご名答!正解だったでしょ?」

「…そうだね」



自慢気に言ってる悟がなんか可愛いな



五「あ、そうだ白夜。こんな時にほんとに申し訳ないんだけどさ…」

「…出張?」

五「うん…ほんとなら白夜のそばにいてあげたいんだけど」

「…最強呪術師は大変だね。大丈夫、オレのことは気にしないで行ってきて。体調もだいぶ戻ってきたし」

五「…白夜、物分かりがいいのは親としてはありがたいことだけど、僕としてはもっとワガママ言ってもいいんだよって言いたくなる」

「…前にワガママ言った時、大喧嘩になったのが軽くトラウマで」

五「それはそれ!白夜のワガママで必ず怒るわけじゃないから!」

「……じゃあ、本音だけ言っとく。オレの独り言だと思って聞き流して。ほんとは行ってほしくない。オレのそばにいてほしい…」


…恥ずかしい



五「…うん、そうだよね」

「今のは独り言だって言ったでしょ。オレは大丈夫だから行ってきて」

五「分かった、行ってくる。すぐ電話するからね」

「はいはい、それはいつも通りだね」

五「あー、行きたくないぃ」



ぐずぐず言っている悟に、早く行きなさい。と促し、ようやく仕事へ向かった





プルルル…



「ん?」


電話が鳴ってる

いや、いくら何でも早いでしょ



「…悟からだ。もしもし」

五『あ、白夜!ごめん、言い忘れてたけど、体調戻ってきたからと言って、任務引き受けちゃだめだよ!白夜はしばらく休みって伝えてあるけど一応白夜にも言っとく』

「え、大丈夫だよ?」

五『だーめ。白夜はすぐ大丈夫って言うけど、白夜の大丈夫は信用ならないから』

「ひどいな…。まぁ、否定はしない…」


オレ、すぐ大丈夫って言っちゃうからなぁ


五『ちゃんと休むんだよ?分かった?』

「はーい」



悟からの電話を切り、オレは再びベッドへ潜り込む


「寝るかぁ」









そうして、数日経ったある日のこと。


悟はまだ出張で帰ってきていない




プルルル…

オレのところに電話
いつも通り悟かなと思ったのもつかの間、かかってきたのは伊地知さんからだった


「伊地知さん…?」


どうしたのだろう?と思い、俺はすぐに電話に出た


「もしもし」

伊『あ、白夜くん!お休みでしたよね?すみません電話して』

「ううん、全然いいよ。それよりどうかしたの?」

伊『それが…、今一年生3人が任務に出掛けているのですが、その呪いがもしかしたら伏黒君のお姉さんに何かしら被害をもたらすかもしれなくてですね…』

「え、津美紀さんが!?」


確か津美紀さんは呪いにかかり、ずっと眠り続けているはずだ


伊『津美紀さんの護衛として呪術師を向かわせたいのですが、今回任務の階級がかなり上がっていて…』

「ふむふむ」

伊『今派遣できる呪術師が2級の者しかいなくてですね…しかし2級では手に追えないといいますか…』

「なるほど、それでオレに電話してきたってことか」

伊『すみません…!体調が悪くてお休みしているのに…でももう頼めるのは白夜くんしかいないんです!』


「分かった。いいよ、受ける。恵のお姉さんだし。何かあったら恵が悲しむから」

伊『ほんとですか!?ありがとうございます…!』

「はいよー。恵にはオレから電話しとくから」

伊『分かりました!助かります!』



伊地知さんも大変だなぁ

悟には任務を引き受けるなって言われてるけど、
まぁ大丈夫でしょ
もうオレめっちゃ元気だし


よし。恵に電話するか



恵『もしもし、白夜か』

「うん。伊地知さんから話は聞いた。津美紀さんのことは心配しなくていいよ。オレが見とくから」

恵『…ほんとに、ありがとな。助かる。白夜なら安心して任せられる』

「どういたしまして。恵はちゃんと呪い祓って五体満足で帰ってくること」

恵『ああ』




電話を切り、オレは津美紀さんのところへ向かった












(やべ…悟から電話だ…。タイミング悪…)


五(あれ…?いつもより電話出るの遅いなぁ…)
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