第0話
五「ってことでタイミングもいいし、白夜、僕のお嫁さんになって♪」
「………え?」
その日の夜、唐突にプロポーズされた
「それは一体どういう…」
五「ほら、養子になるってことは僕の家族になるわけでしょ?つまりは嫁ってことだよね!」
「……なぜそうなったの」
五「だって白夜、僕のこと好きでしょ?それとも人間として好きって意味だった?」
「…っ、いや、男として…だけど…」
五「なら、僕のお嫁さんになって」
「でも、オレまだ中学生だし…」
五「うーん…、じゃあこうしよう。白夜が18歳の誕生日を迎えたらってことでどう?」
あ、養子手続きはすぐにしちゃうけど!
と言う悟
「…じゃ、じゃあそれでお願いします」
五「了解っ!ってことで白夜、抱き締めてもいい?」
「え?」
五「実はずっと前から我慢してたんだよねー。頭撫でるくらいならできたんだけど、それ以上となると、さすがにねぇ」
「…っ!!」
…悟も、前からオレのことが好きだったんだ
「…いいよ」
五「じゃ、遠慮なく」
ふわっと悟の匂いがしたかと思えば、暖かな温もりに包まれていた
とても、落ち着く……
五「あー、いいね、これ」
「うん…」
五「これからは毎日抱き締めようかな!」
「オレの心臓持つかな…」
こうしてオレと悟はとりあえず、恋人同士ということになったのだった
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数ヶ月後
「あの…硝子さんに相談があるんだけど」
家「あいつのことでしょ?何かあった?」
この人は家入硝子さん
悟の高専時代の同級生だ
何かあればいつも相談に乗ってくれる優しい人
「オレ、恋人同士でやることを色々調べたんだ。手を繋いだり抱き締めたりキスしたり…それから…その」
家「あー、はいはい、分かった。それ以上は白夜の口から聞きたくないから言わなくていい。それで?」
「…悟、本当にオレのこと好きなのかなって」
家「なんでそう思う?」
「確かに抱き締めたりしてくれるけど、それ以上は何もないんだ…キスもまだしたことないし、その先のことだって…。オレがまだ子供の身体だから悟は興奮したりしないのかなって思ったりして…」
すると硝子さんは
家「それはあり得ないな」
と、言い切った
「え、なんでそう言い切れるの?」
家「見てれば分かるさ。あいつはね、白夜のことを大事に思ってる。だからこそ手を出さないんだ」
「…大事」
家「白夜はまだ中学生だ。手を出すには早いんだよ。そうだな、せめて高校生になるまでは待ってやれ」
「…そっか。そういうことなんだ。ありがとう、硝子さん。オレ急ぎすぎたのかも」
家「どういたしまして。白夜、何かあったらいつでも来な。また話聞いてやるから」
「うん!」
悟に相談しにくいことも、硝子さんになら不思議と相談できてしまう
悟とはまた違う温かさのある人だ
そして、悟は悟で悶々としていた
五(あー!白夜に手を出したい!触りたい!でもまだダメだ。せめて白夜が高校生になるまでは我慢しろ僕!)
我慢するのに必死だった
五(でも、まさか白夜にこんな気持ちを抱くなんてね…。そりゃ最初見かけた時からビビっと来てたけど、まだ恋という感情ではなかった。それが、一緒に生活するようになって白夜がいるのが当たり前になって、日に日にいとおしく思えるようになった。僕の癒しの白夜…)
夜「おい、悟。聞いているのか」
五「聞いてますって、学長ー」
夜「それで、白夜の様子はどうだ」
五「いつも通り僕の癒しですよ」
夜「そんなことを聞いてるんじゃない。全く…。そうだ、これを白夜に渡しておいてくれ」
夜蛾学長から受け取ったラッピングされたプレゼント
五「またですか。どうせあれでしょー?もう家に何体いると思って…」
夜「白夜のために作った人形だ。必ず渡せ」
五「はいはい、分かりましたー」
五(白夜ー、また学長からプレゼントだって)
(へー!今度はどんな人形かな…!)
五(…意外と嬉しそうなのが気に食わない)
(悟、何か言った?)
五(なんでも!)