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第11話


五「おはよう、白夜。具合はどう?」

「…おはよう、悟。昨日よりマシになったかな」

五「なら良かった。お粥作ったけど、食べれそう?」


確かに美味しそうな匂いがしてくる


「悟が作ってくれたの…?」

五「他に誰がいるんだよ」

「ごめんごめん。食べる」

五「おっけー。ちょっと待ってて。すぐ持ってくから」


おぼんにお粥を乗せて、ベッドにやってくる



五「ふー、ふー、はい。あーん」

「あ、あーん…」


なぜか悟に食べさせられた


五「どう?」

「うん、美味しいよ。あの、悟…オレ自分で食べられるから…」

五「こーら。まだ熱下がりきってないんだから、こういう時は甘えなさい?それに、こういうのもイチャイチャに入るでしょ?」

「イチャイチャ……」


なるほど
悟なりに、イチャイチャタイムを作ろうとしてたんだ



「…分かった。じゃあ、食べさせて」

五「りょーかい♪」



悟によって、お粥を食べさせられる



五「よし、完食だね」

「…お鍋置いといて。あとで洗っとくから」

五「こら、またそういうこと言う。風邪引いてる時くらい僕に甘えてゆっくり休んでて」

「はい…」


うーん…、オレ、人に甘えるってことあんまりしたことないから難しい
というか、どう甘えたらいいか分からないんだよね…



「…悟、今日も任務あるでしょ?」

五「うん。けどまだ時間は大丈夫。調整してもらった」

「え、調整…ほんと、迷惑かけてごめ…」

五「はーくーやーさん?そういうのもダメ。謝るの禁止」

「うっ…」

五「僕が任務に行ってる間、白夜を一人にしておくのも心配だから悠仁たちと一緒にいてくれる?今日は一年生みんないるみたいだし」

「うん。分かった…」



移さないようにマスクして行こ…


「あ…今日、悟のお弁当…」

五「いいよ、今日は。いつも美味しいお弁当ありがとね。元気になったら、また作って?」

「うう…なんか悔しい。毎日作るのがオレの日課みたいなものだったのに…」

五「そうなの?まぁ今日は仕方ないって」


「悟…一つ、甘えたいことある…」


五「ん?」


「……ぎゅって、して、ほしい…」



悟って、タッパあるし包容力があるから、ぎゅってしてもらうとすごく安心できるんだよね



五「おいで」


手を広げて待っている悟に、オレはゆっくり抱き付いた


「…悟の匂い、落ち着く」

五「え、僕の匂いする?」

「…うん、する。すごくいい匂い」

五「なら良かった」



あぁ…このまま時が止まればいいのに。なんて思ってしまうほど、幸せな時間だ


そのまま数分経った頃…


五(…あれ、なんか静かになったけど。もしかして…)


そっと白夜を確認する悟


五「…やっぱり寝てる」

「…………」


あまりの気持ちよさに、白夜は寝てしまったのだ


五「ふふ、可愛いなぁ」


そう言って笑う五条がいた









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「…ん、あれ……」

悠「あ、先輩起きた!はよっ!」

「…おはよ。なんで悠仁が…」


ちょっと待てよ…
オレ、悟にぎゅってしてもらった後、どうしたっけ…

やばい、何も覚えてない…
いや、今オレ寝てたな。そうか、寝たのか。気持ちよすぎて



恵「白夜、大丈夫か?」

「恵…オレは今とてつもなく恥ずかしい思いと申し訳ない気持ちでいっぱいだ」

恵「…?」

野「白夜先輩はもっと寝たほうがいいわ。寝不足なのよ。顔に書いてある」

「マジかぁ…書いてあったら分かるもんなぁ…」



とりあえず、だ。



「…悟は?」

悠「五条せんせーなら、白夜先輩を俺らに預けて任務行ったけど」

「だよねぇ…」


そんなこと言ってたもんなぁ



恵「終わったら迎えにくるとも言ってたぞ」

「そっか、分かった」

悠「白夜先輩、昨日よりはマシそうじゃん」

「うん、悟が看病してくれて。悠仁、昨日は驚かせてごめんな。悟に連絡してくれてありがと」

悠「どういたしまして!五条せんせーの白夜先輩への愛もすごいと思ってたけど、白夜先輩の五条せんせーへの愛も大きいんだなぁって実感した!」

「…そ、そんなこと実感しなくていいよ……」


野「それにしても、白夜先輩でも風邪引くのね。強い人って体調崩したりしなさそうって勝手に思ってたけど」

恵「白夜は普通に風邪引くぞ」

悠「なんで伏黒が自慢気に言ってんの?」


あはは…


「いやー、ほんとに申し訳ないよ…。特にオレみたいな特級の呪術師がさ。体調崩して休んだら割りと大変なのよ」

悠「それって、特級呪術師にくる任務がヤバい案件ばっかだからってこと?」

「そ。大体1級~特級案件が来るからさ…。代わりの呪術師って言っても2級以下の呪術師には荷が重いから、結局悟や七海さんに迷惑かけちゃうっていうね」

悠「そっかぁ。特級には特級の悩みがあるんだな」

「うん…」

恵「…白夜。なんかさっきより顔赤くねぇか?」

「え?そう、かな…」


瞬時に恵がオレの熱を測る


恵「39.2℃…!」

悠「先輩また上がってんじゃん…!」

野「ほら先輩!早く横になって寝て!」

「…そんな高い熱、初めてだわ」



一年生に看病されるオレって……



「あー…、頭痛い寒いクラクラする」


悠「先輩大丈夫!?」

恵「帰って寝たほうがいいんじゃないか?」

悠「でも五条先生が、白夜先輩一人じゃ心配だからってここに連れてきてるし…」

野「間をとって、家入さんのとこに連れてくとか?それなら一人にはならないし、対処もしてくれるし」

悠「なるほど…」



あー、なんかオレの処遇について色々話してるなぁ


「みんな、ごめんな…。迷惑かけて。オレのことは気にしなくていいから」

恵「謝んな。それに、39度も熱あるやつ気にしないでいられるかよ」

悠「そうだよ先輩。先輩の看病するために俺らいるんだし」

「うう…ありがと…。ちょっと寝るね。悠仁、オレのカバンの中に人形あるか見てくれる?」

悠「人形?」

「うん…もしかしたら悟が入れてくれてるかも…」

悠「よくわかんねーけど見てみる!」


悠仁はオレのカバンの中を見る



悠「…人形って、これのことか…?」



悠仁の手にあるのは



恵「…それって、五条先生か…?」

野「…そう、にしか見えないけど」


「あ、そうそう、それ…。オレが抱き枕代わりにしてるんだ」

悠「白夜先輩、やっぱり先生への愛がすごいな」

「…悟がいない日に一人で寝るのが寂しくて、学長に作ってもらったんだけど。不覚にもそれがないと寝れないほどになってしまった…癖って恐ろしい」

悠「分かる…小さい頃からの癖って抜けないよなぁ」

野「まぁそれはそうね…」

恵「小さい頃っていつだよ…」

「えっと確か作ってもらったのは、中学の時だったかな」


オレが初めて無意識に無限使った時に、欲しいって学長に頼んだんだよね



恵「いや割りと最近じゃねぇか!」

野「小さい頃とは……」

悠「いやぁ~、白夜先輩可愛いなぁ」


「というわけで、オレはこの悟人形とともに寝ます…。おやすみ」














悠(寝てるけど、やっぱ辛そうだな…)
恵(そうだな…定期的に冷やすやつ変えとくか)
野(私は汗拭いておくわ)
悠(俺は五条先生に白夜先輩の定期連絡しとくか)
恵(なんだそれ)
悠(五条先生に、白夜先輩の容態を定期的に送ってほしいって言われてさ)
恵(……あの人は安定だな)
野(……安定ね)
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