第10話




五「は?」



それは、突然だった

僕に連絡してきたのは硝子



-五条悟side-



これは、今朝白夜と交わした会話である



五「じゃ、行ってくる。白夜も任務だったよね?」

「うん。今日は四級の人と同伴なんだ。強い呪霊と戦って経験値上げましょうってことらしい」

五「ふーん。その四級のやつが白夜のお荷物にならないか心配だけど」

「術師育てるのも必要だってことでしょ。そんなふうに言わないの」

五「…ごめん。ちょっと嫉妬しただけ。白夜が無事に帰ってきてくれればそれでいい」

「ありがとう、悟。ちゃんと帰ってくるよ」









そして、現在

硝子からの連絡で、僕は急いで任務を終わらせ白夜のもとに向かった


家『五条。白夜が大変だ』


そんなことを言われたら気が気じゃないでしょ、どう考えても!

詳しいことはその場で話すからとにかく来い。と。




五「白夜は…!?」


勢いよくドアを開けて僕は白夜を探す


家「来たか五条」

五「硝子…。白夜に何があった?」

家「そうだな。まずはこれを見てくれ」



そう言って、ベッドを遮っていたカーテンをシャーと開ける硝子


五「なっ……、え……?」


ちょっと待て。


五「…硝子。まさかと思うけど、この子…」

家「あぁ。正真正銘、白夜だ」


五「…どうみても子供に戻ってるよね、これ…」


家「そうだな。推定5、6才といったところか」




そう。

ベッドに眠っていたのは、子供の姿をした白夜だった



五「初めて会った時より子供なんだけど…」

家「確かにあの時よりチビだな」

五「…で、何があってこうなってるかは分かってるんだよな?」

家「まぁ要するにだ。白夜と同伴していた術師がヘマをして呪いを受けそうになったのを白夜が庇って代わりに受けちまったってこと」


五「…まぁだいたい想像はできてたけどね。白夜がヘマするわけないし。で、その呪霊は?」


家「呪いが発動する前に白夜が祓ったらしいんだが。どうやらその呪いはその呪霊がいなくなっても後天的に発動するものみたいでな。時間が経てば自然に消えるとは思う」


五「…そう」


家「その呪いは…まぁ見れば分かるが、若返りの呪いだな」


五「…硝子。白夜と同伴してた弱小四級術師は?」


家「五条…。キレると口が悪くなるの止めてくれる?そいつだってわざとヘマしたわけじゃないんだ」


五「だからってこのまま何のおとがめもないのはおかしいだろ」


そうだ
白夜はそいつのせいで呪いにかかってるんだから


家「そういうと思って、五条が手を出せないように学長に匿ってもらってる」


五「はぁ!?ふざけんな!俺の白夜が呪われたんだぞ!許せるわけねぇだろうが」


家「……(五条が俺って言ってるの久しぶりに聞いたな)」






「……だれ?」





突然、声がした



あぁ…僕が大きな声を出してしまったから、起きてしまったのかもしれない




五「白夜…?僕のこと、分かる?」


「…ごめんなさい。分かんない…でも、あの場所には戻りたくない…」


え…僕のこと、分からないって…
ていうかあの場所…?





五「……」



家「……。どうやら記憶も年相応まで戻っているらしいな。あの場所ってことは、五条のとこに行く前にいた場所」



五「…白夜、大丈夫だよ。白夜がいた施設にはもう戻らなくていい。僕のところにおいで」

「…お兄ちゃんだれ…?」

五「僕は五条悟。学校の先生をしてるんだ。白夜のことは僕が守ってあげるから」


すると、白夜は涙を貯めて…



「…ほんと…?もう、痛いことされない…?」


五「うん、されないよ」


僕は優しく白夜を抱き締めた

こんな小さいころから、白夜は暴力に苦しんでたのか
僕と出会うまでずっと白夜は耐えていたのかと思うと、辛すぎて僕が泣きそうになった



「…ごじょ…さとる……さとるくん…って呼んでいい…?」


その一言に、僕は萌えすぎて口から血を吐きそうになった


家「おー、良かったな。『さとるくん』」


五「この際何でもいいわ。白夜が僕のことを覚えてなくてもこの子は僕が守る」


家「おー。まぁ頑張って。何かあったら連絡していいし」

五「助かる」







そして、家に戻るため白夜を腕で大事に抱え、高専の廊下を歩いている時だ




悠「え…。五条せんせーにそっくりな…子ども…。せんせーの隠し子…!?」

恵「…まぁ五条先生は御三家の1人だから、子どもを作れって言われそうではあるけどな。けど、さすがにどう反応したらいいか…」

野「白夜先輩になんて言えばいいの…」




僕の可愛い生徒たちは、何やらとてつもない勘違いをしているらしい



五「いや、ちょっと待って君たち!僕に隠し子なんているわけないでしょ!?」


野「じゃああんたにそっくりなその子は誰だって言うんだよ」


うわ…完全に軽蔑されてる目だよ…
僕悲しい…



五「よく見てよ!この子の目を!」


悠「あれ、眼帯してる…。ちょっと失礼して…」



そっと眼帯の中を覗く悠仁



悠「え!?このきれいな目…まさか白夜先輩!?」

恵「は!?白夜だと!?」

野「え、この子白夜先輩なの!?」



五「そうだよー?ほんと酷いなぁ君たち」




「…さとるくん、このお兄ちゃんたちだれ?」


悠「まじで白夜先輩じゃん。え、さとるくん!?」


五「かくかくしかじかあってね。若返りの呪いで記憶も逆戻りしてんのよ」


というわけで、僕は経緯を説明した



悠「そっかぁ。元に戻るまで大変じゃん。俺らのことも記憶にないし」

恵「任務はできないですよね?」


五「うん。だから白夜がやるはずだった任務の振り分けがくるかもしれないけど、よろしく頼むね」


悠「それはもちろん大丈夫!白夜先輩のためなら」

恵「そうだな。特級案件は五条先生にやってもらうけど」

野「私も問題ないわ」


五「みんなありがとねー!」











(さとるくん。さっきのお兄ちゃんたちだれ?)
五(あぁ、ごめんごめん。言い忘れてた。僕の生徒たちだよ)
(さとるくんのせいと?)
五(そそ。みんな優しいから、遊んでもらうといいよ!)
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