第8話
家出して、早一週間が過ぎていた
その間、五条悟の機嫌がすこぶる悪く、隣を通りすぎるだけで呪われるのではないかと言われるほどだった
白夜は、五条に会わないようにしていたため、一週間顔は一切見ていない
そして五条悟はというと…
五「……硝子。白夜はどこにいるの。知ってるよね?」
家「さぁて、どこだったかな」
白夜が頼りそうな家入硝子のところに押しかけていた(10回目)
五「一週間も会ってないんだけど」
家「五条が言ったんでしょ?家の敷居跨ぐなって」
五「それは…言葉のあやというか、つい心にもないことを言ったというか。あの時は僕もイライラしてて」
家「それで?」
五「……だいぶ、頭冷えた。理由も聞かずに反対して悪かったなって…」
家「で?」
五「あーもうだから!!!!白夜がいないと寂しすぎておかしくなりそうなんだよ!!白夜とちゃんと話すからどこにいるか教えろ硝子!」
家「だってよ、白夜」
五「……!」
実は物陰に隠れていた白夜
五条が来る前、白夜は硝子のところで話をしていたのだが、五条の気配がしたのでとっさに隠れていたのだ
「……悟」
五「…白夜」
あ…久しぶりに悟を見た
五「…白夜、僕……」
「……っ」
気付いたら、オレは走り出していて、悟に抱き付いた
五「…え、白夜!?」
「…ごめん、ごめん悟…!!オレ、悟と離れてみて分かったんだ…。悟がいないと寂しくて寂しくて…辛かったっ!」
五「白夜……」
そう。
白夜は五条がここに来る前、硝子とこんな話をしていた
『…硝子さん、オレ……悟に嫌われちゃったかな』
家『急にどうした?』
『…悟と離れてみて分かったんだ。離れることがこんなに辛いんだって』
家『白夜…』
『寮に入りたいとか言ったけど、ほんとに入ったらオレ、自分がおかしくなってると思う…それくらい辛かった』
家『…そう』
『だから、悟にちゃんと謝ろうと思って』
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ずっと悟と一緒に暮らしていたからこそ気付かなかった
悟の存在が、こんなに大きなものだったと
「ごめんなさい…!!お願いだから…っ、嫌いにならないで…!」
五「…白夜、僕もごめんね。理由も聞かずに酷いこと言って。さっきの聞いてたでしょ?僕も寂しすぎておかしくなりそうだった。意味分かるよね?」
「悟…」
五「僕が白夜を嫌いになるわけないでしょ?」
「…良かったぁ…っ!」
五「よしよし。泣かないで白夜。一緒に家に帰ろ?」
「…うんっ」
家「ったく。世話のやけるこったな」
そして、結局寮には入らないことに決め、以前と変わらずここに住むことになった
帰宅後…
五「あれ!?白夜…!」
「え、何?」
五「ちょっと痩せたよね!?」
「え?あー…、そういや悟に会えないストレスで食欲無くなって、あんまり食べてないんだよね」
七海さんにすごく心配かけちゃってたんだよ…
五「……っ、それは喜んでいいのか、痩せてしまったことで悲しむべきなのか…!」
「あはは…。あ、なんか久しぶりにお腹空いてきた」
五「よし、すぐご飯にしよう。白夜の好きなもの作るから」
「ほんと?じゃあお願いします!」
五「了解っ!ところで白夜、この一週間、どこにいたの?」
「え?えっと…それは内緒!」
五「えー?僕に言えないようなとこにいたってこと?」
「違うよ。ただ、硝子さんと約束してるから。秘密だって。信頼できる人のとこにいたってことは伝えておけって言われた」
五「ふーん、まぁ硝子がそう言うなら大丈夫か」
それにしても優しかったなぁ、七海さん
五(はー、やっと安眠できる…)
(やっぱり悟の隣が一番安心する)