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第8話



「お、なんだ三人ともいるじゃん」


現在オレは、一年の教室にきていた


悠「お!白夜先輩!」

恵「白夜」

野「白夜先輩今日もまぶしい…!」


いやオレ太陽じゃないから
まぶしがらないで


「いやぁ、それにしても久しぶりだなぁ。一年の教室」

悠「そっか。白夜先輩にも一年だったころがあるんだよな!想像できねぇけど」

恵「そりゃそうだろ」

「いやなんで想像できないの。わりとこのまんま成長したよ!?」

野「そうよ虎杖!先輩は先輩のまんま成長してんのよ」

まぁ、背はあんまり伸びなかったけど



「君たち、もう自分の寮に帰るの?」

恵「そうだな。今日は特に任務もないし」

野「そうね」

悠「そういや先輩って、寮暮らしじゃねぇよな?」

「うん」


オレは入学してからも寮に入ることはなく、そのまま悟と暮らしている


悠「なんで寮にしなかったん?一人部屋とか憧れたりしないの?」

「あー…、いや、まぁそうだよね。普通の高校生なら自分の部屋とか寮とかで生活してみたいよね」


分かるよその気持ち


「…実はさ。入学前の頃は、寮に入りたかったんだよね」

恵「そうなのか?」

「うん」

野「どうして寮に入らなかったの?」


「…実はさ。そのことで悟と大喧嘩しちゃって」



三人は一斉に驚いた表情を見せる


悠「ケンカ!?五条せんせーと先輩が!?」

恵「マジか…。ケンカしてる所なんて見たことねぇのに」

野「びっくりしたわ…。先生が白夜先輩とケンカすることあるのね…」

「あはは…確かに普段は全然ケンカしないからね」


任務で無茶して一方的に叱られることは何度かあったけど


悠「どんな感じでケンカしちゃったの?」

「えっとね…」








そう。
あれはオレが高専に入学が決まった中3の時だった








「ねぇ悟」

五「んー?なに?」

「オレ、高専に入学したら寮に入りたいんだけど」



それは、一人で生活するというものをしてみたかったという好奇心から、よく考えて自分で決めたことだった

もちろん悟との生活が嫌なわけじゃない
むしろ悟のことは大好きだし、離れたいとも思っていないけれど

経験してみたい。試してみたい。その気持ちがどうしても止められなかった



五「…は?何言ってんの。そんなのダメに決まってるでしょ」


だが、悟はそれを許さなかった
そしてあきらかに機嫌が悪くなった



「何でダメなの?」

五「高専はここからでも十分通えるでしょ。何でわざわざ寮に入る必要があるわけ?」

「そうだけど、寮のほうがすぐ教室行けるし…。それに夜蛾学長が、ほとんどの生徒はみんな寮に入るって」

五「よそはよそ、うちはうち。みんな寮だからって関係ない」


「でもそれは悟が決めることじゃないでしょ…!オレが通うんだからオレに決めさせてよ…!」

五「僕は白夜の保護者でもあるんだ。白夜一人に決めさせるわけないでしょ」



悟は全く聞く耳を持たない



「…なんで。なんでそんな反対すんの!?悟の分からず屋!!」



そしてオレも、とうとう切れてしまった



五「…はぁ?僕は白夜のために言ってるんだけど。それとも何?そんなに僕と一緒に暮らすのが嫌なわけ?」


「そんなこと…!」


五「あーはいはい、分かった。そんなに寮に入りたいなら入れば?その代わり二度と家の敷居跨ぐなよ」



「………っ」




何、それ……

いくらなんでも酷いよ…っ!!





「…っ、悟のバカッ!!!!」




涙が溢れていることなんて気にしていられず、オレは貴重品を持って家を飛び出した



五「…………っ、クソッ……」












悟のバカ…!!

そこまで言うことないじゃん…っ!


オレはただ……





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家「それで、家出してきたってわけか」

「……グズっ…、うん……」

家「とりあえず涙拭きな」

「…ありがとう……硝子さん…」



家を飛び出したものの、オレが頼れる人はそんなにいない
その中でも信頼の厚い硝子さんのところに来ていた



家「それにしても、寮くらいでそんな大喧嘩するとは。五条もガキだな」

「………オレも、ちょっと意地張りすぎたと思う」

家「いや、白夜はもっと思ったことを言ったほうがいい。色々言葉を飲み込みすぎるからな。特に五条に対して」

「それは…まぁ、そうだけど」

家「とにかく、お互い頭冷やせ。話はそれからだ」

「…うん。硝子さん、しばらくここに泊まっていい?」

家「いやさすがに白夜をここに泊まらせるわけにはいかないな。色々不便だろうし。あ、ちょっと待ってろ」


硝子さんは誰かに電話をし始める



家「あ、伊地知か?私だけど。かくかくしかじかあってさ、しばらく白夜を伊地知のとこに泊まらせてやってくれないか?」

伊『…それ、五条さんに知られたら私確実に殺されるやつじゃないですか…』

家「…あー、そうなるか」

伊『白夜くんには悪いですが、私も死にたくないので…!すみません…!』

家「分かった。無理言ったな。それじゃ」


ピッ、と通話終了ボタンが押される



家「んー、そうだ、あいつなら…」


再び電話をかける硝子さん



家「あ、七海?私だけど、色々あってな。白夜を泊まらせてやってくれないか?」

七『…白夜くん、泊まる場所がないんですか?』

家「そうなんだ。家には帰れないようだからさ」

七『…分かりました。構いませんよ。ただし、五条さんに怒られるのは勘弁なので、責任はあなたに押し付けますが』

家「あぁ、それでいい。白夜を頼むわ」

七『分かりました』



電話が終わり、硝子さんはオレに向き直る



家「七海が泊めてくれるそうだ。良かったな」

「七海さんが…?」

家「まぁ、数日様子見だな」

「…ごめん、迷惑かけて」

家「別に白夜になら構わないけど。早いとこ仲直りしてもらわないとね」

「………」












(七海さん、ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします)
七(いえ。白夜くんなら構いませんよ)
(ありがとうございます、七海さん!)
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