第6話
「…どうやって渡そう……」
悟に買ったプレゼント
渡すタイミングが分からない
ちなみに現在、夕食を終えて悟はお風呂中である
「でも、珍しく今日は任務ないみたいだし、渡すなら今日だよね…」
悟は常に忙しい人だ
こうして家に一緒になることはあまり無い
出張も多いし
「……うーん」
五「白夜、どうかした?」
「いや…でも……って、悟!?」
五「その慌てよう…怪しい…」
バレてる…!
「っていうか悟!何で上着てないの?髪も濡れてるし…風邪引くよ?ほら、こっちきて。乾かすから」
五「ありがと。じゃあお言葉に甘えて」
オレは悟の髪の毛をドライヤーで乾かす
「…悟の髪は綺麗だね」
五「え?そうかな。白夜も綺麗だと思うけど。っていうか一緒じゃない?髪質」
「あはは、そうかも」
五「あー、白夜に髪触られるの気持ちいいなぁ」
「なら良かったです」
五「それで?さっき何悩んでたの?」
「え…?あー、えっと…」
くぅ…忘れてなかったか
「実はさ…悟に渡したいものがあって」
五「え?僕に?」
オレはドライヤーを止めて、プレゼントを手に取った
「…悟が持ってるのより全然安くて申し訳ないけど、悟に似合うと思ってオレが選んだんだ」
そう言って悟に渡した
五「…これ、サングラス」
「気に入らなかったら捨てていいから!」
すると悟はぎゅっとオレを抱き締めた
「悟…?」
五「…捨てるわけないでしょ。こんな大切なものを。僕が持ってるものより、一番価値のあるものだよ」
「悟…」
五「ありがとう、白夜。すごく嬉しいよ。大切にする」
「うん…!」
五「でも、何で急にプレゼント?」
「あ、えっと…指輪の、お礼に」
五「そんなの気にしなくて良かったのに」
「オレが、あげたいと思っただけだから」
五「…そっか」
「…悟、大好き」
五「なんか今日はやけに素直だなぁ。可愛いからいいけど」
「そういう雰囲気だったでしょ!?察してくださいっ!」
五「ごめんごめん。そうだね」
「…あと、早く服着て。直で悟の身体に抱き締められると心臓が持たない」
五「そのままずっとドキドキしててもいいんだよ?」
「悟さん?」
五「…服着るね」
そして無事(?)に服を着た悟
五「ねぇ白夜。せっかくだし、このサングラスかけてデートしない?」
「…え?デート…!?いいの!?ほんとに!?」
五「食い気味にくるね…」
「だって悟とデートなんて滅多にしたことないから…!」
五「あー、確かにそうかも。ごめんね、全然デートできなくて」
「いや、仕事だから仕方ないよ。オレもそれは分かってるから」
五「ありがとう、白夜」
「でも、お休み取れるの…?」
五「仕事を秒で終わらせば行けるよ」
「秒でって…無理しなくても」
五「白夜はもっと僕にワガママ言っていいんだよ?こうしてほしいとか、あれが欲しいとかさ。あ、僕から離れたいとかはやだけど」
「…ワガママなんて、言えないよ」
五「なんで?」
「だって……悟に、嫌われたくない、から…」
五「僕が白夜を嫌うわけないでしょ?」
「でも悟の性格上、絶対ウザいって思われちゃうから…」
五「そりゃ好きでもない子に、ここ行きたいあれが欲しいとか言われたらうざったくなるけど。でも、白夜は別だから」
「……ほんと?」
五「ほんと」
悟はそっと、オレの頭を撫でる
五「白夜の思ってること、何でも言ってよ。そのほうが僕は嬉しい」
「…悟。うん、分かった。」
五「よーし。じゃあ言ってみなさい?」
「…悟と、デートしたい。手を繋ぎたい。一緒にご飯食べて、一緒に寝たい」
五「…それだけ?」
「うん…」
本当にそれだけだ
五「つまり、僕とイチャイチャしたいってことでいいのかな?」
「………そういうことに、なるね…」
うわっ…恥ずかしい!
白夜は、顔だけでなく耳まで真っ赤にしていた
五「ふふ…可愛すぎ」
「…うるさい」
五「えー?褒めたのに」
何も言わないオレに、悟はそっとオレの頬に手を添えた
五「白夜」
オレはそっと目を閉じる
そして、唇が重なった
悟の唇は、とても柔らかくて、甘くて、心地がいい
この時が、ずっと続けばいいのに
五(そういうことで、明日はデートね!仕事終わったら連絡するから)
(…分かった!)