第5話
それから攻撃は続いたが、呪霊はまだ生きている
オレはモグラくんと一緒に呪霊の攻撃を防ぎながら打撃をあたえてく
これじゃあ埒があかない
友達の呪霊五人でならいけるか…
いや、だめだ
いっきにたくさん呪霊を出せば、周りの被害が大きくなる
一方、棘はあれから二回目の『止まれ』を使い、限界にきていた
「棘、もう唱えるな。お前の身体がもたない」
棘「高菜」
「棘…っ!」
棘はそれでも呪言を使った
棘『ぶっとべ』
言葉どおり、呪霊はぶっとんでいく
同時に棘は血を吐いて倒れる
「棘…!!」
オレは棘を抱き抱える
くそっ…オレはなんでこんな非力なんだよ…!
何が特級だ…っ!
呪霊のほうを見れば、新たに真希が恵とともに呪霊と対峙していた
「加茂君も棘も気を失ってる。二人をこのままにはしておけない」
恵と真希は応戦していて手が離せない
そしてオレは叫んだ
「恵、真希!!オレは一旦棘と加茂君を安全な場所まで運ぶ!」
恵「分かった!二人を頼む!!」
真希「ここは私らに任せろ!」
頼もしいな、二人とも
モグラくんに加茂君を抱えてもらい、オレは棘を抱え、一旦その場から離れる
「…大丈夫。二人ともまだ息はある」
プルルル…
「電話…!悟からだ。もしもし」
五『あ、白夜?今どんな状況?』
オレは先程までのことを話した
五『なるほどね。分かった。白夜は賢明な判断をしたね』
「え?」
五『白夜の力は僕に比べれば弱く見えるかもしれないけど、一般的な呪術師のレベルから見ればかなり強い。みんなといるときにその強力な力を使ってたら、恵たちみんな巻き込まれて最悪死んでたよ』
「………」
五『白夜は自分が非力だと思ってるみたいだけど、それは違うよ。白夜はちゃんとみんなを守りながら戦っていた。それって、一人で戦うよりも大変なことだから』
「悟……」
『半年前の事件の時、白夜は一人だったからおもいっきり呪力使って生き残った。もしあの場に他の誰かといたら、白夜は死んでたかもしれない。力を使うことを躊躇ってね。ま、白夜を殺そうと、一人で行かせたのは上の連中だけど、連中にしてみればそれが裏面に出たってところだね。いい気味だ』
…それはそうかもしれない
上層部はオレを殺そうとして、オレを一人で行かせた
でもそれがオレにとってはおもいっきり戦える、いい状況だったんだ
五『…白夜は僕に似てるんだよ。僕は一人の時が一番強い。誰も巻き込まずにおもいっきり戦えるから。白夜もそれと一緒なんだよ。だから、そう落ち込まなくていい』
…悟は、やっぱり優しいな
五『あー、そうそう。それと、この帳のことなんだけど』
「うん」
五『五条悟だけを拒む帳なんだよね。その代わり僕以外のものは誰でも出入り自由』
「……はぁ!?何それ…!」
五『ま、大丈夫。こんな帳くらい、僕にかかればすぐ壊せちゃうから』
「…そっか。じゃ、あとは悟に任せるよ」
五『まっかせなさーい!』
…ほんと、悟ってすごいなぁ……
桃「あれ、白夜君!?」
空から名前が呼ばれ、上を見るとほうきで飛んでる西宮桃がいた
「あ、桃ちゃん!いいところに…!二人を硝子さんのところに運んでほしいんだけど」
桃「二人って…うそでしょ…。この二人がやられるなんて…」
「桃ちゃん、頼める?」
桃「も、もちろん!」
「ありがとう。助かるよ」
桃は二人を預かる
「ちょっと待って桃ちゃん」
桃「え?」
白夜は反転術式で、桃の怪我を治した
桃「怪我が……」
「棘と加茂君も反転術式で回復させたんだけど、まだ完全にとはいってない。硝子さんに治してもらうのが一番だから」
桃「…ありがとう、白夜君」
「いや、当然のことだよ。それじゃあ桃ちゃん、頼んだ」
桃「うん…!」
(悟から元気もらったし、まだ戦いは終わってない。落ち込んでなんていられないよね)