第0話
五「白夜、おはよう」
今日も、五条悟はベッドの上で眠っている白夜に声をかける
白夜が意識不明となって半年ほど経つ
家「五条、毎日毎日ちゃんと来るんだな」
五「あぁ。白夜の顔を見てから行かないと、やる気が出ないもんで」
家入硝子によって今もなお、治療が続けられている
が、怪我は治っているはずなのだが意識が戻らないでいる
五「そんじゃ、引き続き白夜のこと、よろしく頼むわ」
そう言って、五条悟は病室から出ていった
なぜ白夜が意識不明になったのか
それはさかのぼること、約半年前
夏油による呪霊テロ事件より少し前の話
伊「白夜くん…大変言いにくいのですが」
「ん?」
伊「未登録の特級1体と1級5体の討伐任務が入りました。上からの指示で、あなた1人で行くようにと」
「…そっか。みんな忙しいしね。仕方ないよ」
伊「…白夜くん!特級1体1級5体と言いましたが、本当はそれ以上に呪霊がいる可能性が高いと現場の窓から報告がありました。できることならあなた1人で行かせたくありません…!」
「…でも、オレ1人しか今動ける呪術師いないんでしょ?」
伊「…っ」
「伊地知さん、オレの心配してくれてるんだよね。ありがとう」
伊「白夜くん…!」
「それじゃ、行ってくるね。伊地知さん、もしオレに何かあっても、それは伊地知さんのせいじゃないから。絶対に、自分を責めないでね」
伊「……っ!」
白夜の笑った顔を最後に見たのは、送り出した伊地知だった
任務から戻った白夜は、全身血だらけで生きているのが奇跡だった
治療に当たった硝子は、すぐさま出張に行っている五条悟へ連絡をした
家「五条、落ち着いて聞け」
五『…なに?』
家「…白夜が、意識不明の重体だ」
五『…どういうこと。白夜に何があった』
五条の声のトーンが明らかに下がった
キレている。高専時代からの付き合いである硝子はすぐにそれが分かった
家「…上からの指示で、白夜は特級1体1級5体の任務に1人で向かった。それだけでも無謀な任務なんだけど、実際には特級2体1級8体の呪霊がいたらしい。その呪霊は全て白夜が祓ってそのあと倒れてそのままうちに運ばれてきたんだよ」
五『…そう。これは完全に僕への嫌がらせだろうね。僕のいぬまに白夜を無謀な任務に行かせて、事故に見せかけて殺す。ほんと分かりやすいよね、上の連中』
家「…まぁ、そうだな」
五『すぐ戻るから、硝子、白夜のこと頼む』
家「分かった」
それから約半年
白夜はいまだに目を覚まさないでいる
五(白夜、ほんとならもう4年生になってるんだよね。早く白夜の笑った顔が見たいなぁ)